下流社会
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下流社会(かりゅうしゃかい)とは、三浦展著のベストセラー『下流社会~新たな階層集団の出現』から生み出された造語。
「下流社会」とは、毎日の生活にも困窮する下層社会という意味ではなく働きたい、学びたい、金持ちになりたいなどの意欲やコミュニケーション能力が低い人々、包括すれば「人生への意欲が低い」人々の構成する社会を指す。経済的な上昇志向が強いほど、コミュニケーション能力や生活の満足感も高いという(三浦がこの見解の根拠とした調査の妥当性については疑問の声も多い)。
現在ではこの語は本来の意味とはかけ離れ、単に収入の低い人々を指して「下流」という言葉が使われることも多い。これに対しては、著者の三浦展も、言葉が曲解して使われていると苦言を呈している。日本テレビ系列のドラマ、たったひとつの恋の第一回のタイトルは『上流と下流の恋』であったが、このドラマの主人公は生育環境が貧しいために低所得の暮らしに甘んじているだけで、決して人生の意欲が低いわけではなく、これは典型的な「下流」の誤使用である。