不胎化政策
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不胎化政策(ふたいかせいさく)とは、通貨としての金が、国内通貨量の増大や、信用増大にならないようにする政策である。第一次世界大戦の後、世界経済の中でのアメリカの経済の競争力は突出しだし、1920年代には貿易黒字が続き、金の流入が続いた。金本位制の下では、金の流入は、国内の通貨と信用の増大となり、景気を刺激し、物価上昇を招き、それが貿易収支の黒字持続を打ち消すはずであった。しかしアメリカ政府は、通貨と信用の拡大を抑えるとともに、流入する金を通貨準備からはずした。これを不胎化政策という。不胎化政策の評判は悪く、世界の金は南アフリカの山で掘られ、ロッキー山脈の中に戻されると揶揄された。
[編集] 現代において
現代においての、不胎化政策は、為替介入において市中に流出した通貨により、金利などの金融政策目標が影響を受けないようにする政策である。
たとえば、円相場が著しく上昇したため、これを抑制しようと中央銀行が円売り介入をしたとする。このままでは、円貨が市中に流出し金利が低下する可能性がある。これを望ましくないと考えれば中央銀行は、売りオペを行い、流出した円貨を回収する。