修辞学
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修辞学(しゅうじがく、Rhetorica)は、端的に言えば学問の一種。レトリック。雄弁術。
欧州古代・中世で教養の中核を成していたが、近代に衰退。 古代・中世の教育規範である自由七学芸の内の一つ。基本的には演説の技術で、いかに聴衆を納得させるかを目的とするかなり政治的なもの。そのため修辞学では、聴衆の心理操作が大きな位置を占め、さらに、演説をより魅力的に見せるために、身ぶりや発声法なども重要視される。 つまり、言語学、詩学、演技論などの総体だった。だが近代ではさまざまな学問に分化し、あくまで言語表現に磨きをかける技術、という領域に押し込められる。
修辞学が一学問として体裁を整えるようになったのは、キケロ『弁論家について』とクィンティリアヌス『弁論家の教育について』の力が大きく、レトリックの五分野、発見・配列・呈示・記憶・演示が確立したのものこの時代。 特に、「発見」は主題を選別し決定するという技法を指し、トポス(演説のための常套句)を収集し、演説のときの助けにするというのが欧州中世の教養の大部分を占めた。