働けば自由になる
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働けば自由になる(Arbeit macht frei)は、そもそもは19世紀後半のドイツ人作家が用いた小説のタイトル。20世紀前半、ナチス政権が強制収容所のスローガンとして用いたことで幅広く知られる語となった。定訳があるわけではなく、「働けば自由になれる」など様々に訳される。英語では「work shall set you free」や「work brings freedom」などと訳される。
[編集] 概要
19世紀後半、ドイツ人作家ロレンツ・ディーフェンバッハが小説のタイトルとして用いたのが最初とされる。20世紀前半、ヴァイマル共和国期にこの標語が用いられたが、この際は失業対策として示された公共事業拡充に対しての表現であった。1933年に政権を獲得したナチス政権がこの語を強制収容所に用いるようになり、多くの強制収容所の門にこの文言が記された。アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の門に書かれた「ARBEIT MACHT FREI」の「-B-」が上下逆に見える。これを、門を作らされた囚人の抵抗の証とする見解もある。
現在でもこの文言を用いることは、ドイツの人々にナチスを想起させる。2005年のドイツ総選挙前、一政治家が失業対策が滞っていることを「Arbeit macht frei」という語を用いて皮肉った際、厳しい批判を受けて謝罪を余儀なくされている。
[編集] 関連項目
- 都市の空気は自由にする(Stadtluft macht frei)