八丈方言
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八丈方言(はちじょうほうげん)とは、東京都伊豆諸島に属する八丈島や青ヶ島で使用されている日本語の方言。八丈島とその北の島との間には黒潮が流れており、古来海洋交通の難所とされてきたため、古代関東方言の名残を残しているとされる。
[編集] 概説
用言の終止形と連体形の区別があり(本土方言ではほとんど区別がなくなっている)、特に「行こ時」「高け山」のように特殊な語形(万葉集の東歌にもある)が残る。係り結び(連体形・已然形結び)も残る。また否定の助動詞「にす」(「ず」は古くはこの形であったといわれる)に由来する形など、文献に残るよりもさらに古い段階の語形を留めている点で特異である。