共工
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共工(きょうこう-Gong Gong)は、古代中国神話に登場する神。三皇の一人に挙げる説もある。
姿は人面蛇身に朱色の髪を持つと描写され、洪水を起こす水神とされている。女媧の時代から神話上に時を越えて何度も現れては敗北する悪神として描かれる。これは、中原を本拠とした政権と長期にわたって敵対した羌族が共工を信奉していたためではないかと考えられている。
女媧の時代、共工は天下の覇権を狙い、九首人面蛇身の家来である相柳(そうりゅう-Xiang Yao)を従え反乱を起こすが祝融に敗れる。その際、怒りにまかせて暴れ周り、天を支える柱がある不周山に頭突きを喰らわせた。そのため天柱が折れ、天が西北に傾いてしまった。中国の河川がすべて東南方向に流れるのはこのためとされている。また、『国語』では共工こそが至上帝として天地を治める神であったが、治世に失敗し、これを伏義と女媧が修復したともある。
『楚辞』の「天問」では康回という名で歌われ、五帝の顓頊と帝の地位を争い敗れたとあり、不周山の天柱を折った事件もこの時の事として書かれている。
堯代では幽州で処刑され、『淮南子』では舜代に洪水を起こし暴れるも同様に幽州へ追放されたとある。さらには『山海経』では禹の時代にも現れたともあり、神話の中において千年に渡り執拗に登場し続ける。
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