前向き連鎖
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前向き連鎖(Forward Chaining)は、(人工知能において)推論規則を使う時の二種類の主要な推論手法のひとつである。もう一方は後向き連鎖である。
前向き連鎖は使用可能なデータからスタートし、推論規則を使って最適解に達するまでさらにデータを(例えばエンドユーザーから)引き出していく。前向き連鎖を使う推論エンジンは、推論規則を検索し、条件部(IF節)が真であることが分かっている規則を探し出す。見つけた規則の帰結部(THEN節)は、データセットへの新たな情報として追加される。
最適解に達するまで、推論エンジンはしばしばこの過程を繰り返す。
例:
私はフリッツと名付けられたペットを持っていて、彼は緑色で、彼は弾む、彼は何か?
- IF節:フリッツははずむ — THEN節:フリッツは緑色である
- IF節:フリッツは緑色である — THEN節:フリッツは蛙である
前向き連鎖の推論はしばしばデータ駆動型と呼ばれる。一方、後向き連鎖はゴール駆動型と呼ばれる。前向き連鎖のトップダウン型アプローチはCLIPSなどのエキスパートシステムで普通に使用されている。