印章偽造の罪
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印章偽造の罪(いんしょうぎぞうのつみ)とは、刑法に規定された犯罪類型の一つ。第19章「印章偽造の罪」に規定がある。保護法益は印章や署名の真正に対する公共の信頼であり、社会的法益に対する罪に分類される。文書偽造罪や有価証券偽造罪の予備や未遂的な行為を処罰するものである(なお、印章不正使用の罪については未遂も処罰される、刑法168条。)。刑法における印章とは印影(顕出された文字や符号)と印顆(いんか 文字や符号を顕出させるための物体)とを意味する(印影のみと解する説もある)。
目次 |
[編集] 御璽偽造及び不正使用等の罪
行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲役に処せられる(164条1項)。御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用した者も、164条1項と同様とされる(164条2項)。
[編集] 公印偽造及び不正使用等の罪
行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処せられる(165条1項)。公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用した者も、165条1項と同様とされる(165条2項)。
[編集] 公記号偽造及び不正使用等の罪
行使の目的で、公務所の記号を偽造した者は、三年以下の懲役に処せられる(166条1項)。公務所の記号を不正に使用し、又は偽造した公務所の記号を使用した者も、166条1項と同様とされる(166条2項)。
[編集] 私印偽造及び不正使用等の罪
行使の目的で、他人の印章又は署名を偽造した者は、三年以下の懲役に処せられる(167条1項)。他人の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した印章若しくは署名を使用した者も、167条1項と同様とされる(167条2項)。
[編集] 未遂罪
第164条第2項、第165条第2項、第166条第2項及び167条第2項の罪は、未遂も罰せられる(168条)。
[編集] 関連項目
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