反発係数
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反発係数(はんぱつけいすう、coefficient of restitution)は、2物体の衝突において、衝突前の互いに近づく速さに対する、衝突後の互いに遠ざかる速さの比のことである。(衝突の前後での相対速度の大きさの比ということ)。普通は文字eで示し、はねかえり係数ともいう。単位はない。
物体1と物体2が衝突して速度がそれぞれv1からv'1、v2からv'2に変わったとすると、反発係数eは
衝突時に2物体の間でのみ力がはたらく場合、2物体全体の運動量の和は一定であるが、運動エネルギーの和は一定とは限らない。反発係数は、衝突の前後で運動エネルギーの和が変化しない場合に値は1となり、衝突によって運動エネルギーの一部が他の形態のエネルギー(音や内部エネルギーなど)に変化した場合は値が1よりも小さくなる。一般に衝突時には音や温度上昇が生じるので、反発係数は1未満となるが、2物体が硬いほど値は1に近くなる(理想的な剛体では振動が生じ得ないので音も熱エネルギーも生じず1となる。なおビリヤードの球が硬いのは反発係数を1に近づけるためである)。衝突時に何らかの形で運動エネルギーが供給されない限り、反発係数が1よりも大きくなることはない。2物体の質量や衝突前の速度に関わらず、衝突前に互いに近づく速さより衝突後に互いに遠ざかる速さの方が一般には小さい。
スポーツの球技では、球の反発係数が重要となるため、ルールでかならず指定している。ただし反発係数を直接指定するのは分かりにくいため、通常はその球技で用いる床面に、ある高さから球を落下させ、床面との衝突後、球がどの高さまで上がるかという形で間接的に指定している。