問題のない私たち
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問題のない私たち(もんだい-わたし-)とは牛田麻希著作の小説、同作を漫画化した木村文の漫画、及び、同作映画タイトル。
目次 |
[編集] 小説
牛田麻希のデビュー作。著者は執筆当時現役の中学三年生だった。集英社コバルト文庫から2001年12月10日に出版。
[編集] 漫画
- 「別冊マーガレット」(集英社)で連載。
- 単行本:全3巻。
- いじめをテーマにした作品は数多くあったが、当作品は加害者が主人公でありクラス内の権力者が変ると新しい設定である為、読者の目には新鮮に写り話題となった。
[編集] 登場人物
- 笹岡澪-(ささおか みお)
- 父子家庭に育った女子高校生。クラスを牛耳るいじめの主犯格。だが転校生のマキからいじめに合う様になり、立場が逆転する。
- 先生や先輩に臆することなく意見する程気が強い反面、友達思いで後輩の面倒見がいい一面を持つ。
- 学校では有名な存在。3年生に「先生を辞任に追い込もうとし、クラス全員いじめた」との噂を流された事がある。澪の様な人物は先輩からいじめられてもおかしくないが、この噂のせいで澪に近づいたり、刃向かおうとする先輩や先生はいない。
- 新谷麻綺-(しんたに まき)
- 転校生で澪のクラスメイト。澪から目を付けられいじめに合うが、後に立場が逆転し、澪をいじめ、後に仲間となる。作り話や他人を出し引いてまで徹底的にいじめる卑怯臭さがある。澪にも屈しないほどの気の強さを持ち、時折、照れて心無い発言をしてしまう事がある。澪同様、学校内で知らぬ者がいないほどの有名人で先輩や先生ですら恐れる存在。ストレートなロングヘアー。
- 潮崎マリア-(しおざき まりあ)
- 澪のクラスメイトで、澪からいじめに合っている。だが澪がいじめに合い始めてから友達となる。頭が良く、自習の際は皆に頼られていた(だが澪達が通う学校は3流学校である為、どれくらい頭が良いかは不明)。髪が長く、体系はぽっちゃり系。
- 施川ミズキ-(せがわ みずき)
- 澪の7年来の親友でクラスメイト。
- 松野アヤ-(まつの あや)
- 澪のクラスメイト。
- 笹岡桃花-(ささおか ももか)
- 澪の父親の再婚相手。
- 加藤先生-(かとうせんせい)
- 澪達の1、2年生時の担任。澪にコンビニで万引きしているのを目撃される。澪が学校側にその事を言わない様に、停学処分まで下すが、厳しすぎて自身が退職寸前になる。だが澪の助けによって退職は免れる。
- 山下翠-(やました みどり)
- 新入生。制服改造や態度の悪さで、先輩から目を付けられる。澪達に助けられるが「偽善者」と言い放つ。友達を拒むのには、親から信頼されない過去とリストカットをしているのが関係していた。非常に派手な格好をしており、髪はピンク色。制服はロリータファッション風に改造している。
[編集] あらすじ
[編集] 第1部
澪はクラスを牛耳るいじめの主犯格で、マリアをミズキ、アヤと共にいじめており、マリアのいじめはマリアが自身達に与える不快感による正当防衛だと主張、「死ぬくらいの勇気があるなら、刃向っていけばいいのに」と思っていた。その時転校生の新谷麻綺が現れる。澪は麻綺が気に入らずいじめる。しかし、麻綺はミズキ、アヤ含むクラスメイト達と共に逆に澪をいじめ始めクラスでの権力は麻綺に移り、完全に立場逆転してしまう。
父親は気付いてくれるかと思いきや、再婚の準備で向き合ってくれない。そんな中唯一手を差し伸べてくれたのは、澪が以前いじめていたマリアだった。
[編集] 第2部
澪の父親が桃花と結婚、父親達は新婚旅行へ行く。(全てはこれに原因がある)。その間澪が夕食を買いにコンビニへ行くと、担任の加藤先生が万引きしているのを目撃。加藤は翌日体調不良を理由に休み、自習となる。加藤はその翌日に、自習に出した問題が丸写しされているとして、澪を問いつめる。澪は否定するが、加藤は澪が言い訳するのは片親が原因だと発言、切れた澪は加藤が万引きしていた事を暴露。が、これが原因となり、澪は「キレる生徒」のレッテルを貼られてしまう。
翌日澪は加藤に呼び出され、万引きしていた事を否定して欲しいと頼まれる。しかしその様子はビデオに撮影されており、しかも加藤の良い様に編集されてしまう。澪は停学処分となる。
澪が停学処分を終え、学校に登校すると、加藤がクラスを牛耳っていた。澪は対抗するかと思いきや、加藤に屈してしまった為、クラスメイト達の信頼をも失ってしまう。だが、納得の行かなかった澪は授業をエスケープ。ここから反撃が始まり、加藤は学校を辞める事となる。しかし澪はいじめを受けていた苦しみから加藤の気持ちが理解でき、何らかの違和感を感じる。
[編集] 第3部
澪達の学校に新入生が入ってくる。その中に明らかに毛色の違う山下翠を発見。翠は早速先輩に目を付けられるが、澪と麻綺が助ける。だが翠は助けてくれた2人を「偽善者」扱いする。
だが、あるきっかけで澪と翠は仲良くなる。互いを知り合っていくが、ある時翠は切れ、澪の前でリストカットをする。それ以来澪は翠を避け始める。翠がリストカットを始めたのには過去が関係していた。それは、中学受験によるプレッシャーであった。些細なるSOSだったが、親から注意され手の甲の自傷行為は腕へと変る。その後翠は中学受験に失敗。
澪は翠を救うことを決意。「1人じゃない」と必死に励まし、翠は更正の道を歩んで行く・・・。
[編集] 映画
- 監督・脚本:森岡利行
- 原作:牛田麻希、木村文
- 製作:堀田昇司、及川次雄
- 企画:富田敏家
- プロデューサー:江尻健司、小林岳夫、山地昇
- 音楽:奥野敦士
- 撮影:斎藤幸一
- 照明:金子雅勇
- 録音:沼田和夫
- 美術:西村徹
- 編集:矢船陽介
- キャスティング:杉山麻衣
- 挿入歌:黒川芽以「アルイテク・・・」
- エンディングテーマ:junior size「青いナイフ」
- 音楽協力:コナミメディアエンタテインメント
- 製作:インターヴォーグ、コンセプト
- 制作:フォーピース
- 配給:レジェンド・ピクチャーズ
[編集] キャスト
[編集] 評価
小説や漫画が中高生を中心に大ヒットしていて前評判が高すぎた為か
- 「澪がいじめられている様に見えない。」
- 「淡々と物語が進み、終盤は現実的ではない。」
- 「いじめを美化したかの様な撮り方。」
など、否定的な評価が多かった。
だが、現在若手女優№1と言われる黒川芽以や沢尻エリカなど実力派俳優が多数出演している。