変電設備
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変電設備(へんでんせつび)は、変電とその監視・制御を行うための電気工作物である。
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[編集] 形態
[編集] 閉鎖型
接地された金属箱内に機器を納めたものである。屋外用と屋内用とがある。
利点
- 安全性が高い。
- 据付面積が小さい。
- 工場生産が可能で、工期が短い。
欠点
- 稼動時の目視点検が行いにくい。
- 能力増強・機器の入れ替えなどの時、同一設計のものの使用が必要で、融通性に乏しい。
種類
- キュービクル : 一つの金属箱内に全ての機器を納めたものである。
- メタルクラッド : 各機能別に金属箱が区切られたものである。
[編集] 開放型
鋼材などでフレームをつくり、そこに機器を取り付けて設備を構成するものである。
利点
- 配線・機器が、直接目視によって点検できる。
- 能力増強・機器の入れ替えなどの融通性がある。
欠点
- 大きな設置面積が必要である。
- 据付時の現場作業が多く、工期が長く、専門の技能を持った作業員が必要である。
[編集] 設置場所
[編集] 屋内
建物内に設置する物。信頼性の向上や、点検の簡素化が可能であるが、建築費が高くなる。
[編集] 地下
都心部など、地価が非常に高く需要密度の高い地域に用いられる。
- 建築費が非常に高い。
- 火災防止のため、不燃化や難燃化された機器・配線を使用する。
- 地下浸水などからの保護に配慮する。
- 需要密度の高い地域であるので供給信頼性の高い構成とする。
[編集] 屋外
建築費が安い。信頼性や点検の簡素化のために設計上の配慮が必要とされる。
- 柱上 : 電柱上に設置されるもので、公衆への危険が無いように配慮されなければならない。
- 地上 : 公衆が立ち入らないように柵などを設置し施錠しておく。
- 建物の屋根上 : 工事や点検時の安全を考慮する。
[編集] 構成
- 母線 : 電力を配分する。
- 変成器: 電圧を変換(変圧器)・電流を変流する。(変流器)
- 遮断器・開閉器: 電圧・電流を遮断・開閉する。
- 電気計器: 電圧・電流・電力・力率・積算電力量などを測定する。
- 保安装置
- 保護継電器: 事故を検知し、制御信号を出力する。
- 操作用電源装置 : 外部電源が遮断された場合も、保安装置などの電源を確保する。