夜叉ヶ池
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夜叉ヶ池(やしゃがいけ)は、岐阜県と福井県の県境付近にある池である。
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[編集] 概要
岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧坂内村)と福井県南条郡南越前町(旧今庄町)との境の、標高1099mの山頂付近に位置する(三国岳系統の山)。周囲は原生林におおわれている。
周囲:545m 最深部:7.8m
九頭竜川の支流の一つ、日野川(福井県)の水源地といわれている。
昔より、雨乞いが行われていた池である。
[編集] 夜叉ヶ池の伝説
817年(弘仁8年)、この年の美濃国平野庄(現岐阜県安八郡神戸町)は大かんばつに見舞われ、あらゆる作物は枯れる寸前であった。ある日、郡司の安八太夫安次は、草むらの小さな蛇にため息まじりで、「小蛇よ、もしそなたが雨を降らせてくれたなら、私の娘をやろう。」と語りかけた。
その夜、安次の夢枕に小蛇が現れ、「私は揖斐川上流に住む龍神だ。その願いをかなえよう」と語った。すると、たちまちのうちに雨雲がかかって大雨が降り、作物は生き返り村は救われた。
翌日、約束どおり娘をもらう為、小蛇(=龍神)は若者の姿に変えて安次の前に現れた。安次には3人の娘がいたのだが、安次が娘たちに事情を話すと、一番心がやさしい次女(三女の説もある)が、「村人を救っていただいたからには、喜んでいきます。織りかけの麻布がありますから、これを嫁入り道具にいたします。」と、龍神の元へ嫁ぐことになった。こうして娘は麻布で身をまとい、若者(=龍神)と共に揖斐川の上流へ向かっていった。
数日後、安八太夫安次は娘に会う為に、揖斐川上流へ向かった。やがて、揖斐川上流のさらに山奥の池に龍神が住むという話を聞き、その池にたどり着いた。安次は池に向かい、「我が娘よ、今一度父に姿を見せておくれ。」と叫んだ。すると、静かだった池の水面が波立ち、巨大な龍が現れた。龍は、「父上、これがあなたの娘の姿です。もうこの姿になったには人の前に現れる事はできません。」と告げ、池の中に消えていった。
安次は龍となった娘を祭る為に、池のほとりと自宅に、龍神を祭る祠を建てた。
この娘の名を“夜叉”といい、池の名を娘の名より“夜叉ヶ池”と名づけたという。(娘の名は不明で、後から池の名から“夜叉”とおくられたとの説もある)
安八太夫安次の子孫は現在も岐阜県安八郡神戸町に健在であり、今は石原性を名乗っている。岐阜県安八郡神戸町大字安次にある自宅には、安八太夫安次と夜叉を祭る夜叉堂がある。夜叉堂参拝する際、個人宅の為、事前に連絡し予約が必要である。
[編集] もう一つの伝説
福井県にも良く似た伝説がある。こちらの伝説では、越前国南条郡池ノ上の弥兵次という豪農が主人公である。内容は岐阜県側に伝わる伝説とほぼ同じである。
[編集] 交通アクセス
岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧坂内村)にある、夜叉ヶ池登山口駐車場から、約3km(徒歩約90分)。ハイキングコースだが険しい箇所もあり、ある程度の準備は必要。
[編集] 関連
- 夜叉ヶ池(ライヴ映像あり)[1]