定命
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定命(じょうみょう)とは
- 仏教においては生れ落ちる前に定められた寿命のこと。前世の因果応報によって個別に、あるいは地域、時代によって全体的に定命は変遷すると考えられている。そこから人間が生きられる限界の年齢という意味でも使われる。
- 1.から転じて天理教(日本起源のもの)においては神により定められた人間の寿命のこと。本来はそこまで生きることができるものであるとする。天理教では115歳とされる。
- (ていめい)。イスラム教における六信の一つで、すべての人間(あるいは万物そのもの)の運命が神によって定められていること。カダル。この意味の定命については定命 (イスラム教)へ。
- 「定命の」で「寿命が限られている」「死すべき定めにある」「死ぬ」を意味する。モータル(Mortal)の簡潔な訳語がないので、一部のゲームやファンタジー(の翻訳)で#1の仏教用語から借用したが、上記のように内容が異なり、あまり一般的ではない。イモータル(immortal)つまり「不死の(形容詞)」あるいは「不死なる存在(名詞)」の逆としては、「死の(形容詞)」「死ぬ存在(名詞)」と意味に当てはまる言葉が使えないことが原因か。欧米の神話・伝説・ファンタジーでは神格・悪魔など不死不滅の存在が古くからあり、その逆としてのモータルが自然に使われたのに比べ、日本ではそのような存在がなかったのが原因かとおもわれる。この意味については、死すべき定めへ。