川上則雄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
川上 則雄(かわかみ のりお、1958年 - )は、日本の物理学者。岡山県美星町生まれ。京都大学・大阪大学教授(併任)。
専門は凝縮系物性理論。特に、フェルミ流体論を適用できない低次元電子系の理論。
素粒子物理学者の梁成吉と共に、従来の朝永・ラッティンジャーモデルでは扱えなかった強相関1次元電子系に共形場理論を導入し、1次元電子系における臨界現象を普遍的に記述することに成功した。他に近藤効果を記述するs-d模型の厳密解の発見など。
目次 |
[編集] 略歴
- 1980年 - 大阪大学工学部応用物理学科を卒業
- 1982年 - 同大学院修士課程を修了
- 1984年 - 大阪大学工学部助手に就任
- 1986年 - 大阪大学より工学博士号を取得
- 1989年 - 京都大学基礎物理学研究所助教授に就任
- 1992年 - 日本IBM科学賞を受賞
- 1995年 - 大阪大学教授に就任
- 1995年 - 「共形場理論に基づく1次元電子系の研究」の業績により、仁科記念賞を受賞
- 2006年 - 京都大学教授に就任(併任)
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『1次元電子系の数理:共形場理論の応用』(岩波書店, 2002年)
[編集] 共著
- 『共形場理論と1次元量子系』(岩波書店, 1997年)