巻藁 (弓道)
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ここでいう巻藁(まきわら)とは、弓道、弓術型の稽古用の的である。藁を、長手方向に矢が突き抜けず、矢を傷めない程度の強さで束ね然るべき高さの台に乗せたもの。専用の矢じり(矢の先端の金具)を装備した、通称「藁矢」を用いる。なお、大半のものには羽根も付いていない。このため棒矢とも呼ばれる。ただし、的前用に比べて小型ではあるが羽根が付いているものもある。
初心者はまず型(射法八節)を覚え、ゴム弓を引いて模擬練習をする。それができると実際の弓矢を使った練習に移るが、いきなり実際の的に向かって矢を放つのではなく、約1・2m先の巻藁に向かって矢を放つ練習を繰り返す。これを経て、ようやく的前での稽古ができる。「巻藁千本」とも言われるほどこの練習は的前に立つ前段階で極めて重要である。
なお、初心者でなくても的前に入る前に、体を慣らす為に巻藁を使った練習を行う。体だけでなく、弓を慣らすという重要な役割もしている。 また、復習や確認の意味で的前練習の合間や後にも行う。