干潟星雲
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干潟星雲 (Lagoon Nebula) | |
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星座 | いて座 |
観測データ | |
種別 | 散光星雲(輝線星雲) |
赤経 (RA, α) | 18 h 03.8 m (J2000.0) |
赤緯 (Dec, δ) | -24° 23' (J2000.0) |
距離 | 3,900 光年 |
視等級 | +6.0 |
視直径 | 60' x 35' |
物理的性質 | |
直径 | _ 光年 |
絶対等級 | _ |
特性 | _ |
その他の名称 | |
干潟星雲(ひがたせいうん、M 8, NGC 6523)はいて座にある散光星雲である。散光星雲を南北に横切る帯状の暗黒星雲が存在し、その姿が干潟に似ていることからその名が付けられている。星雲と同じ位置に散開星団 NGC 6530 も重なって見える。
[編集] 特徴
いて座の南斗六星の柄の先端に当たるμ星の南西約4°に位置する。M8 の1.4°北には三裂星雲 M20 もあり、共に夏に見られる代表的な散光星雲である。視直径が大きいので双眼鏡でも観察できる。1680年にまず星雲の前景にある NGC 6530 星団がジョン・フラムスティードによって発見され、その後1747年に星雲がフランスのルジャンテルによって発見された。
星雲の所々にグロビュールと呼ばれる暗黒星雲の塊が見えるのが特徴である。これは分子雲の密度の高い部分が自己重力で収縮し、やがて原始星となって輝き始める直前の段階にあるものと考えられる。
星雲の西側の中心にはいて座9番という5.89等星が存在する。この星はスペクトル型がO6型の非常に高温の星であり、この星からの紫外線が M8 のガスの電離に大きく寄与していると考えられている。