後背位
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後背位(こうはいい)とは、性交体位の一種で、女性が四つん這いになったところに、後からひざ立ちした男性が性器を結合させることである。女性の背後より挿入するので一般的にはバック(バックスタイル)と呼ばれる。歴史は古く先史時代から行われていたという。
多くの動物が交尾を行う際の体位と同様であるため、各国語で様々に表現されている。ラテン語:coitus more ferarum(動物のやり方の体位)、英語:doggy styleやfrom behind、フランス語:levrette(グレートハウンド)、イタリア語:pecorina(小さい羊)、オランダ語:hondjeshouding。カーマ・スートラでは牛の結合とされている。
性行為に慣れたカップルには極めてポピュラーな体位であるが、女性によっては動物のようで恥ずかしくて嫌だという感想を持つ場合もある(逆に、けだものになったようで興奮するという意見もある)。後背位が動物的と云われる理由は、ペニスを膣に挿入する前に、男性の勃起したペニスの亀頭部分を女性のクリトリスに擦り付けて摩擦し、女性の性欲を高められるからである。後背位で男性は性交中女性の尻を掴むよりも女性の腰を掴んだ方がよいとされる。また、正常位よりもペニスが深く挿入されるため、女性側の性感にも差異が有るとされるが、医学的な検討は行われていない。男性は女性との結合部分や肛門を眺めながら、深い挿入ができる体位であるが、女性の顔や胸を見るには適していない。
[編集] 体への負担
膣口が背中側に近い下付き女性にとっては楽な姿勢だが、膣口が腹側に近い上付き女性は、背中を海老のように反り曲げて腰の部分を浮かせるようにしないと挿入がしにくく、そのような姿勢を長時間続けるのは無理な姿勢となる。また、肉付きが良い女性だと臀部の肉が障害となり、性交そのものが困難になることもある。一般的には、女性の腹や胸のあたりに枕などの支持物をはさみ置いたり、もしくは女性側が上半身を机や椅子の上にうつぶせにすると良いであろう。また、男性側にとっても挿入部位の高さが丁度良い位置に無い場合に、無理な体勢(中途半端なガニ股等)を取ると腰を痛めるおそれもある。