循環小数
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循環小数(じゅんかんしょうすう)とは、n進数における小数点以下の表記が次のようになる形式である。
- 下記の表現はai,biは各桁を表す数値で、{}はその部分を無限に繰り返すことを表す。
循環小数は一般的には次のように表す。
これで、この点を打ってある数字がその位置から続いていくことを表す。
0.142857142857…など、循環する部分が何桁かある場合は、
というように循環している部分の始めの部分と終わりの部分に点をつけるのである。
循環小数は分数で表せ、必ず有理数になる。
例えば10進数で
- 1/3=0.333333333333・・・・・
- 1/7=0.142857142857142857・・・・
- 3/7=0.428571428571428571428571・・・
有限小数も循環小数で、その特別な場合と考えることもできる。
- 1/2=0.5000000000000・・・
但し有限小数(0000・・・)の場合は明記する必要はない。
また、循環節の長さは既約分数の分母よりも短い。
[編集] 循環小数の分数化
循環小数は、等比級数(等比数列の和の極限)であるから、等比級数の和の公式を用いれば、分数に直すことができる。
以下、極限に関する精緻な考察を抜きにした俗な方法で、循環小数の分数化の過程を示そう。
仮に、で考えてみる。まず、
- x = 2.423423423…
とおく。 この等式の両辺を1000倍すると、
- 1000x = 2423.423423423…
となる。この2式の差を求めると、
- 999x = 2421
となり、循環している部分が消去される。この式から、
となり、約分して、
となるので、
が得られる。
すなわち、循環している部分がそろうように小数の位を上げ、そこから小数部分を消去、xを求めるようにすれば、循環小数の分数化ができるのである。