戦闘空母
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戦闘空母(せんとうくうぼ)は、SFアニメ作品『宇宙戦艦ヤマト』に登場する架空の兵器で、ガミラス帝国の宇宙機動艦隊の艦船として登場する、多機能宇宙空母である。ガミラス艦艇は空母群も含め一般的に緑色が主体であるが、七色星団戦に投入された個体及びデスラー戦闘空母は赤色である。
左右に二分割された上面甲板に複数の砲台を二列縦列に装備した、比較的強力な火力を持つ戦闘艦であるが、甲板を反転させることにより艦載機の離発着も可能となる。また、艦橋構造物は極端に後方に偏しており、全通甲板に近い飛行甲板を確保している。そのため分類上は空母である。しかし、艦容から察するに七色星団戦時において使用した重爆撃機の発着艦は可能でも継続した運用には困難が伴うと考えられる。TV版の劇中において重爆撃機は発進後戦闘空母に着艦し、「重爆撃機帰還しました」という報告も搭乗員ハイデルンからなされているが、その後機体は甲板の上から消えている。砲撃戦のために甲板を反転させた時点で艦体の何処に機体を格納していたのかにも大きな疑問が残る。三段空母に着艦したのか、着艦後に短時間にて分解され細分化により艦内に格納されたのか、あるいは宇宙に投棄されたのか、という謎が残る。空母と重爆撃機という組み合わせは、第二次世界大戦のドゥーリットル攻撃隊のような例があるがこれを参考にしたか否かは定かではない。
第1作の『宇宙戦艦ヤマト』における戦闘空母は、ガミラス本星に呼び戻されるまでオメガ戦線という空域で作戦行動中であったが、七色星団での決戦に備えドメル将軍率いる艦隊に合流、ドリルミサイル搭載の(大型)重爆撃機一機を搭載して出撃したが、七色星団の決戦において爆沈する。このときの指揮官はハイデルン。後のガミラス帝国が登場する作品にも幾度となく登場しており、『宇宙戦艦ヤマト2』ではデスラー麾下の艦隊の艦や、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』登場時のものはデスラーが搭乗する旗艦となっている。
ところでこの戦闘空母、劇中ではデスラー搭乗艦タイプと通常型(仮称)が出てくる。外見は一見似通っているが、実際はかなり形状に違いがある。通常型は甲板に右舷発着甲板があるがデスラータイプにはない(その代わり、ちょっとした出っぱりがある)。又、主砲塔も通常型は艦橋前後に二基づつ計4基あるが、デスラータイプの艦橋後部には一基しかない(計三基)。それに合わせ艦橋後部の長さやデザインも大きく異なる。但しデスラータイプは、艦内にデスラー砲を装備しており、使用に合わせ露出させる事が出来る。
『宇宙戦艦ヤマトIII』においてもガルマン・ガミラス帝国の主要艦艇として同名鑑が登場しているが、こちらは完全な次世代艦となっている。
全長200m、全幅32m、自重42000t。 ガルマンガミラス戦闘空母は全長522mを誇る巨大艦である。