新聞紙
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新聞紙(しんぶんし)
なお、「新聞紙」は回文となっている。
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[編集] 語源
「新聞紙」は英語の newspaper の直訳であり、「新聞」が news、「紙」が paper の訳である。本来は、現在で言う「新聞」を意味し、新聞紙条例、新聞紙法などの「新聞紙」はこの意味である。「日刊紙」「全国紙」「各紙」など、「新聞」の意味で「紙」という漢字を使うのも、この語法の名残である。
その後、「新聞紙」を「新聞」と略した。それにともない、「新聞紙」を newspaper の意味で使うことは減り、紙自体を指すようになった。
[編集] 原料
基本的にはTMP(Thermo Mechanical Pulp)と古紙を主要な原料パルプとして使用する。 古紙の配合比率は各製紙メーカーによって異なるものの、最近では100%古紙というものも珍しくない。
TMPは機械的に木材からパルプを取り出すため、KP(kraft pulp)よりも白色度が低い。また、木材に含まれるリグニンがパルプ中に高濃度で残留するため、日光に当たると容易に黄色く変色する。古新聞が黄色くなるのはこのためである。
[編集] 用途・品質
新聞用紙の最大の用途は新聞の印刷である。朝刊・夕刊などの配達時間の関係から、新聞印刷用の輪転機は大量の印刷を短時間で行うように設計されており、巻取りで印刷される。このため、紙の流れ目方向に強い力で引っ張っても破れないことが品質的に求められる。また、最近はカラー印刷された紙面も多く、ページ数も増大傾向にあることから、配達の利便性や見た目の美しさなどの要求から、薄く・丈夫で・白く・裏抜け(片面から印刷した絵柄や文字が反対側に抜けて見えること)しない、というそれぞれが矛盾する品質を求められる。即ち、
- -薄くすると破れやすく、裏抜けしやすくなる
- -丈夫にすると重く、厚くなる
- -白くすると裏抜けしやすくなる
- -軽くすると薄くなるが、丈夫ではなくなり裏抜けしやすくなる
という具合である。
[編集] 古新聞
新聞紙について、昔は読み終えた新聞などを包装紙などに用いる場合が多かったが、今ではいろいろな包装材料ができたので、新聞紙を用いる機会は少なくなった。
また、読み終えた新聞紙は廃品回収の対象となり、古紙から再生紙にリサイクルされる。
生活の知恵として、窓ガラスを拭くのには湿らせた新聞紙を用いるとガラスがきれいになることが知られている。これは、新聞紙面の印刷インクが水分を含むと界面活性剤の役割を果たし、且つ新聞用紙が丈夫であるため水分を含んでも破れにくいためである。
植物の押し葉標本を作成する際に、水分の吸い取り紙として使用される。