時分割多重化
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時分割多重化(じぶんかつ たじゅうか) とは、複数の異なるディジタル信号を時間的に配列して、一つの伝送路で伝送を行うことが出来るようにする多重化の一方式である。時間分割多重(TDM: Time Division Multiplex)とも言う。
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[編集] 概要
時分割多重では複数チャネルのディジタル信号や符号化された音声信号などを、複数ビットずつ時間をずらせて配置し、順番に並べていく。 例えば、図のように4チャネルの信号を8bitずつ配置していくと、チャネル1(赤) の信号が8bit続いた後にチャネル2(青) の信号が8bit、チャネル3(緑) の信号が8bit、最後にチャネル4(黄) の信号が8bit並んで、またチャネル1の信号から順に配置されていく。 このように、各チャネルの信号が決められたビット数ごとに繰り返されることになる。この1巡りのパルス列をフレームといい、繰り返しの周期を示すためにフレームの最初にはフレーム同期パルスが挿入される。
複数のチャネルを時分割多重で送信する場合は、多重化後のパルス幅は多重化前のパルス幅に比べて送信したチャネル数の逆数倍になり、伝送速度は逆に送信したチャネル数倍になる。 ここに1チャネル分の伝送速度が64kbpsの信号が4チャンネル存在するとすると、一つのパルス幅は1/4に、伝送速度は4倍の256kbpsにする必要がある。
送信側では多重化装置(Multiplexer) を用いて多重化を行い、伝送路にて伝送を行った後は受信側で分離装置(Demultiplexer) を用い、多重化された信号を各チャネルに分ける。
[編集] 経緯
伝送路を能率よく利用するためには複数の信号を同時に伝送する事が考えられる。そのために多重化の手法がいくつか考えられた。
アナログ信号の場合は信号の周波数をずらして配置する周波数分割多重化(FDM) の手法がとられたが、周波数という概念が無いディジタル信号の場合、周波数分割多重化の手法は不可能であった。そこで、ディジタル信号を時間的に分割し、多重化していく方法が取られた。
[編集] ディジタルハイアラーキ
実際の通信システムでは周波数分割多重化と同様に階層的に多重化を行う。この事をハイアラーキ(Hierarchy)、ディジタル信号の場合を特にディジタルハイアラーキ(Digital Hierarchy) と言う。
まず、上のように各チャネルの信号(0次群) において時分割多重を行う。これにおいて生じたディジタル信号を1次群とする。次に、この1次群の多重化信号を数チャネル多重化して2次群信号を形成する。このように順次信号を多重化し、高速のディジタル信号にしていく。
ディジタル通信網においてはこのようにして多重化された様々な階層の伝送系を必要に応じて接続していくことで構成される。しかし、この階層構造は国によりまちまちであったため、国際間通信の活発化により階層構造を世界的に統一する必要が生じた。その結果、生まれたのが同期デジタルハイアラーキ(SDH: Synchronous Digital Hierarchy) である。