更生保護
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更生保護(こうせいほご)は刑事政策上の一分野である。
仮釈放制度、保護観察、更生緊急保護、恩赦制度などをその主な内容とする。犯罪や非行といった反社会的な行為をなした者に対し、社会内でさまざな働きかけをすることにより、再び社会の順良な一員として更生させ、もって社会を防衛する営みをさす。
更生保護という語の「保護」が、犯罪者=加害者を保護する、という意に解釈する向きがある。確かに、「刑を終え、出所した人」の人権を偏見や差別からまもり、社会復帰の機会から排除しないようにするもの、更生保護の一側面であろう。しかし、犯罪者予防更生法の第一条は、「この法律は、犯罪をした者の改善及び更生を助け、恩赦の適正な運用を図り、仮釈放その他の関係事項の管理について公正妥当な制度を定め、犯罪予防の活動を助長し、もつて、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを、目的とする。」と定められている。このことから、更生保護の「保護」は社会防衛の意であると解することもできる。