櫻画報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『櫻画報』(さくらがほう)は、1970 - 1971年、学生運動が下火になり始めてきたころに、雑誌「朝日ジャーナル」と「ガロ」に掲載された赤瀬川原平作の漫画。
この漫画は、そもそも学生闘争にノリでこれといった思想もなく暴動への興味本位から参加する野次馬学生たちのために書かれたものである。この漫画ははじめ朝日ジャーナルのグラビアページに掲載されていた。作品中では、櫻画報社が朝日ジャーナル誌をのっとり、同誌を桜画報の”包装紙”とし、さらに刊行元である朝日新聞社を”古新聞、古雑誌”を生産する”古紙回収業者”としている。このような”のっとり”をはじめ、この作品には多くのパロディーや言葉遊びが含まれていて、現代のパロディーの原点も見受けられる。
「朝日ジャーナル」での最終回(1971年3月19日号)では、同「画報」中「アカイ アカイ アサヒ」という文が、水平線から朝日新聞の題字が太陽の代わりに昇るイラストにそえられ、欄外には「朝日は赤くなければ朝日ではないのだ。ホワイト色の朝日なんてあるべきではない。せめて桜色に」という文が記載されていた。この漫画が朝日ジャーナルの左偏重を揶揄するものとして同社幹部の忌諱に触れたのか、朝日ジャーナルが回収される事態が起きた。(回収の正確な理由は不明であるが、もともとその回が最終回でこの事件が原因で連載を打ち切られたわけではない。)
櫻画報をまとめた出版物として
- 櫻画報永久保存版
- 櫻画報 激動の千七百日
- 桜画報大全
- 桜画報大全 (文庫)
が存在する。
カテゴリ: 漫画作品 さ | 一般雑誌掲載漫画作品 | ガロ