油屋 (千と千尋の神隠し)
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油屋(あぶらや)は、アニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する、本アニメの舞台となった湯屋。
[編集] 劇中の設定
この湯屋には八百万の神様達が日頃の疲れを癒しに全国各地から訪れる。経営者は湯婆婆で、従業員の多くはカエルやナメクジの化身である。ただ、千尋の世話役を任されたリンは白狐の化身との噂も。建物の構造は多層に渡り、最下層には従業員の部屋とボイラー室が、中層には多数の湯船と湯釜、宴会場などのお客様を迎える為の施設が、最上層には湯婆婆の居住する住まいがある。
デザインは「色々な温泉が入っていて特定のモデルはない」とされていて、道後温泉本館や渋温泉金具屋、湯原温泉油屋、江戸東京たてもの園の子宝湯などをさまざまな建築物を基にして描かれている。ちなみに薬湯を調合する場所は実在の旧家をモデルにしたもの。モデルの旧家は子宝湯と同じく江戸東京たてもの園にて移築保存されている。
[編集] 油屋と銭湯
スタジオジブリの作品には高畑勲の故郷、三重県伊勢市の店の名や近郊の神様が多く登場する。油屋という遊郭が伊勢市に存在していたことがあり、これもそのひとつであるとも考えられるが、「八百万の神(国津神)が集まるお湯屋」であるとの湯婆々の発言からすると出雲神話をイメージとして狙っている可能性が高い。旧出雲国安来湊に 油屋宗右衛門の屋敷での「お湯ずくし」なる接待が各地にこのような温泉旅館を作り出したという説もある。