油絵の具
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油絵の具(あぶらえのぐ)は油彩(油絵)に用いられる絵の具。顔料を植物油で練ったもの。油が酸化し硬化することにより画面に固着する。油絵の具では酸化による硬化を乾燥という。乾燥時間が数日から数ヶ月と長いため、微妙な混色やぼかし、修正が容易である事が特徴。
使用する油は酸化しやすい乾性油を使うのが普通であるが、油単体では酸化しにくいので(色にもよるが)酸化促進剤を使うことが多い。市販のチューブ入り油絵の具は主に亜麻仁油で練られており、またすでにある程度の酸化促進剤が入っているのが普通である。亜麻仁油は乾燥が速く強い膜を作るが、乾燥後に徐々に黄色く変色するという欠点があるので、白や淡色には変色の少ないポピーオイルを使う。しかしポピーオイルは高価で入手もしにくいため、普及品ではサフラワーオイルを使うことが多い。品質向上のために、樹脂やワックスを含む場合もある。また近年では、界面活性剤が混入されていて水で希釈できる油絵の具も登場している。