海事補佐人
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海事補佐人(かいじほさにん)は、海難審判法に基づき受審人や指定海難関係人の依頼によって、海難審判で、受審人や指定海難関係人の主張を代弁する者である。
弁護士の海事版といわれることがあるが、海難審判は海難事故原因の調査を目的とするだけのものである上、海事補佐人の登録資格からもわかるように、海事補佐人制度では、法的な能力を有する者を選抜したり、法的な能力を担保する制度がとられていない。このことからも海事補佐人は操船技術についての専門職であるにすぎず、弁護士資格による登録者等の少数を除き、法律専門職としての位置づけはできない。
[編集] 登録資格
- 1級海技士(航海・機関・通信・電子通信のいずれか)の免許を受けた者
- 海難審判庁審判官、海難審判庁審判官、海難審判庁理事官または3年以上海難審判庁副理事官に職にあった者
- 大学、独立行政法人海技大学校、独立行政法人航海訓練所そのほか一定の教育機関の船舶の運航もしくは船舶用機関の運転に関する学科の教授の職か、3年以上助教授の職にあった者。高校、中等教育学校、独立行政法人海員学校そのほか一定の教育機関の船舶の運航もしくは船舶用機関の運転に関する学科の教諭の職に10年以上あった者
- 弁護士資格のある者