熊送り
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熊送りまたは熊祭りとはユーラシア・タイガの内陸狩猟民族の典型的な文化要素の一つ。 熊祭りには、子熊を数年間飼育した後に殺して魂を天に送る飼い熊型熊送り儀礼と、狩りで捕殺した熊を祭る狩り熊型熊送り儀礼がある。前者の分布は北海道、サハリンからアムール川流域のハバロフスクあたりまでのナラ林帯で、アイヌのイオマンテもこれに含まれる。飼い熊型熊送りはツングース系のトナカイを飼養する牧畜文化との接触によって派生したとみられ、ところによっては西方の騎馬遊牧民文化の影響もみられる。
なお、北米先住民の中には、イヌワシの雛を数年間飼育した後に殺して魂を天に送る儀礼を持つ部族があり、北海道ではシマフクロウのイオマンテが行われる地域がある。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 佐々木高明。日本文化の基層を探る−ナラ林文化と照葉樹林文化。NHKブックス、日本放送出版協会、東京都、1993年。