王昌齢
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王昌齢(おう・しょうれい、698年−765年?)中国・唐代中期の詩人。字は小伯。王江寧、王竜標とも称せられる。
[編集] 略伝
山西省太原に本籍を持ち、陝西省西安に生まれたらしい。727年に進士となり、秘書郎から734年に博学宏詞科に及第して汜水(河南省)の県補となったが、奔放な生活ぶりで江寧の丞・湖南省竜標の県尉に落とされた。その後、安禄山の乱の時に官を辞して故郷に帰るが、刺使の閭丘暁に憎まれて殺された。
[編集] 詩
当時は「詩家の天子」とも呼ばれ、高適・王之渙と交遊があった。七言絶句に特に優れ、辺塞詩に佳作が多いとされる。閨怨詩・送別詩にも詩才を発揮した。「詩緒密にして思い清し」という評がある。詩集5巻。詩論家としても『詩格』『詩中密旨』がある。
西宮春怨 | |
西宮夜静百花香 | 西宮夜静かにして百花香り |
欲捲珠簾春恨長 | 珠簾を捲かんと欲すれば春恨長し |
斜抱雲和深見月 | 斜めに雲和(うんか)を抱いて深く月を見れば |
朧朧樹色隠昭陽 | 朧朧たる樹色昭陽を隠す |
西宮秋怨 | |
芙蓉不及美人粧 | 芙蓉は美人の装いに及ばず |
水殿風来珠翠香 | 水殿に風来たりて珠翠香し |
却恨含情掩秋扇 | 却って恨む 情を含んで秋扇を掩(おお)い |
空懸明月待君王 | 空しく明月を懸けて君王を待つ |