破精
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破精(はぜ)とは、日本酒の醸造過程の中で製麹(せいぎく)、すなわち麹造りの段階で重要視される概念である。麹菌の菌糸が蒸し米に根つき、喰いこんだように見える状態をいい、具体的に造り手など人間の肉眼からすると、米のあちこちに出てくる白い斑点をいう。
これがすなわち麹菌が徐々に繁殖してきた兆候である。繁殖にともない繁殖熱を発するようになり、それをいかに散らし冷ますかが麹造りという工程の大きな部分を占める。
しかしこの白い斑点である破精が、米粒の一点だけに生じているのか、あるいは全体に生じているのか、によってその後の米の溶け具合が異なってくる。そのため注視される「どのような態様で破精が生じているか」を破精込み具合(はぜこみぐあい)という。
破精込み具合によって、麹は以下のように分類して考えられる。
- 突破精型(つきはぜがた) 破精が米粒の一点だけに生じた場合。淡麗で上品な酒質に仕上がるとされる。
- 総破精型(そうはぜがた) 破精が米の全体に生じた場合。濃醇でどっしりした酒質に仕上がるとされる。
一般的に、突破精型は吟醸酒などに、総破精型は純米酒などに向くとされるが、そこは酒蔵のコンセプトによっていくらでも応用される範疇にある。