磁気異方性
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磁気異方性(magnetic anisotropy)とは、強磁性体中の磁気モーメントの向きによって、その内部エネルギーが異なる性質をいう。
内部エネルギーが異なるため、磁気モーメントが向き易い方向(磁化容易方向)と、向き難い方向(磁化困難方向)が存在することになる。 簡単に述べると、一般的な棒磁石は長尺方向に磁極が発生し、短尺方向では発生しない。ところが黒板にメモ紙をクリップする磁石は、長尺方向ではなく面方向に磁極が生まれる。これは磁気異方性を応用した設計によるものである。磁気異方性は強磁性体の結晶構造に由来している。
磁気異方性は、その起源により以下のように分類される。
結晶磁気異方性
形状磁気異方性とは、結晶の磁気異方性は、形状と自発磁化の大きさとによる性質のことである。例えば針状の鉄片は針の軸方向に磁化しやすく、その直角方向は磁化しにくい。それぞれ磁化容易方向、磁化困難方向に相当する。これのことを一軸異方性と呼ぶ。
誘導磁気異方性
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