紳士録商法
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紳士録商法(しんしろくしょうほう)とは、紳士録と称する名簿に氏名を掲載することにより、掲載料を取り、あるいはその紳士録(本)を売りつける商法のことをいう。
申込みもしない紳士録が勝手に送られてくることもある。(送りつけ商法)。
大学などの同窓会名簿でも同種の商法があるので、あわせて説明する。
[編集] 手口の例
手管を弄して本人の意思によらず、あるいは反して紳士録へ掲載したうえで掲載料・登録料を請求したり、冊子購入の契約成立を主張して代金を要求する例が多い。
- 電話で紳士録への掲載の許可を求められ、許可すると後から掲載料、登録料が請求される。
- 電話で紳士録購入の勧誘があり、あいまいに答えると申し込んだことにされる。
- 往復葉書やダイレクトメールで、紳士録の申込み確認書のようなものが送られてくる。その確認書を「申込まない」として返送すると、業者から「申込みした」とされ代金を請求される。実は、確認書の「申込まない」は、「今年分は申込むが、今後は申込しない」という意味であるとわかりにくく確認書に書いてある。
- 同窓会名簿を作成のための現住所、電話、勤務先などの調査票のようなものが送られてきて、それを記入して返送すると、業者から「申込みした」とされ代金を請求される。実は調査票は、申込み書を兼ねていて、「申込みしない」に丸をつけないと「申込み」ということになっている。また、調査票を送ってきたのは名簿業者であるが、あたかも母校が運営する同窓会組織と誤認させるようになっていることも多い。
- 申込みもしない紳士録が勝手に送られてきて、「不要の場合は○○日以内に返送ください。返送なき場合、御購入いただいたものとします。」などという文書が添えられている。(ネガティブ・オプションの一)
一方で、紳士録からの名前の抹消を名目に、各種の代金をせしめようとする手口もある。
- 今まで無料で掲載していたが、今度から有料になると説明し、不要であれば抹消するとして費用を請求する。
- 紳士録に掲載していると毎年掲載料・登録料や購入費用かかるとして、抹消をもちかけて抹消費用を請求する。
- 紳士録に掲載すること自体に費用がかかる根拠があいまい。
- 掲載が即、購入に繋がるとしているのも根拠がない。
- さらに、抹消にかかる費用の根拠もあいまい。
- 費用を払い紳士録から名前を抹消すると、他の系列の紳士録から掲載料や冊子の代金の請求が来る。
- 紹介された、あるいは複数の系列に自動的に登録されるシステムと説明して、当系列は抹消について関知していない、こちらも抹消するなら別途費用が必要と主張する。
- 紳士録には多くの系列があり、一部を消しても残ったところから名前が広がると説明し、一斉に登録を抹消するための費用として多額の請求を行う。
- 紳士録からの名前の削除を依頼された時点で、既に印刷があらかた終わっており、刷り直す必要があるとして印刷費を請求する。
- 紳士録からの名前の削除を行うと、以後のリストが変更になり、版を改めて作り直す必要があるとして、組版費用を請求する。更には、在庫が無駄になるとして、弁償を求める。
掲載する時点でもお金を要求し、抹消する時点でもお金を要求する、あらゆる事を請求に結びつけると見て取れる。