縛られたプロメテウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
縛られたプロメテウス(しばられたプロメテウス)は、ギリシア悲劇。アイスキュロスの作。ギリシア悲劇は三部作で上演されるものであるため「縛られたプロメテウス」の後に「解放されるプロメテウス」「火を運ぶプロメテウス」の二編が続くものと考えられている。しかし、これら二編は失われてしまっており、現代まで伝わっていない。
この作品は後の時代の無名の脚本家の作で、アイスキュロスの作ではないという説もある。
[編集] あらすじ
人間に火をあたえたプロメテウスは、ゼウスの怒りにふれ、ヘパイストスの作った縛めによりカウカソス山の山頂に縛り付けられる。プロメテウスは、ウラノスが子のクロノスに、クロノスが子のゼウスに追われたように、ゼウスも子の神によって追われる運命であることを予言している。さらに、その子が誰との結婚によりもたらされるかも予言している。ゼウスはその予言の内容を知りたいがために、所詮は自分を解放せざるを得ないのだ、ということまでもプロメテウスは予言している。このためプロメテウスは、ゼウスに謝るように説得に来る様々な神の説得をはねのける。