耐寒性
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耐寒性(たいかんせい)は、動物や植物、材料、さらに機械類や電池(バッテリー)に代表される化学反応などが、どれだけの低温に耐えうるか、またはどれだけの寒さの下でも作動するかを示す尺度。生物の場合は、飼育種または栽培種について使われることが多い。
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[編集] 植物の耐寒性
[編集] 栽培植物
国土が北極圏のアラスカから亜熱帯のハワイまで広がるアメリカ合衆国では、ほとんどの園芸書には、hardiness zoneという、11段階の色分け地図が書かれ、それぞれの植物にもその数字が記されている。最も寒さに強いゾーン1は-40℃まで耐えられるもので、ゾーン11になると、+4℃までしか耐えられない。
日本では、人口の大半が、首都圏・近畿圏および中京圏と、気候がそれに良く似た地域に住んでいるため、東京の冬の寒さを基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと、越冬できないものを非耐寒性と呼んでいる。
[編集] 材料の耐寒性
[編集] 合成樹脂
成型材料としてのプラスチックは、一般にガラス遷移点以下の温度では耐衝撃性が低下して脆化する傾向にある。また、ガラス遷移点は合成樹脂の種類によっても異なる。
プラスチックの耐寒性は、耐熱性評価と同様に、主に機械的変形(曲げ・たわみ)測定やアイゾット衝撃試験を常温下と低温下でそれぞれ測定して特性値の比較や保持率(%)で示す。これらは、ULの温度インデックス試験やJIS K7216(プラスチック脆化温度試験方法)で規定される。
[編集] 参考資料
- 「合成樹脂」項
- 廣恵章利・本吉正信 『プラスチック物性入門』 日刊工業新聞社出版、1983年。ISBN 4-526-01573-3