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聴診 - Wikipedia

聴診

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

聴診(ちょうしん)とは診察の項目のうち聴診器を使って行うものである。胸部聴診では心音や心雑音、頸動脈雑音、呼吸音などを聞き、腹部聴診では腹部血管雑音、グル音を聞く。

医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。

目次

[編集] 心臓音の聴診

[編集] 主な心音

  • Ⅰ音:房室弁(僧帽弁と三尖弁)の閉鎖音。心尖部でよく聞こえる。
  • Ⅱ音:肺動脈弁と大動脈弁の閉鎖音。心基部でよく聞こえる。
  • Ⅲ音:拡張早期に血液が心室に充満する音。心室壁に血流がぶつかり起こる。
  • Ⅳ音:拡張後期に心房が強収縮することによって心室壁が振動する音。
Ⅲ音、Ⅳ音は共に、心尖部、左側臥位でよく聞こえる。心拡大が起こるとⅢ音が、心肥大が起こるとⅣ音が聞かれる。Ⅲ音、Ⅳ音共に聴かれる場合をgallop rhythmといい、心不全、虚血性心疾患、DCM、過剰輸液のサインである。Ⅲ音は心室コンプライアンス低下で聞かれやすい。またⅣ音は心房が収縮しなければ聞こえない(心房細動)。繰り返しになるが、Ⅲ音の意義は心室拡張期容量負荷であり、Ⅳ音の意義は過度の心房収縮である。余談だが、心室壁のコンプライアンス(弾性力)の低下はⅢ音を起こすが、それで心室の拡張末期圧が上昇すると心房が強収縮をおこすのでⅣ音が起きるといったこともあり複雑である


[編集] その他の特徴的心音

  • 僧帽弁開放音(OS):MSでおこる。ランブルに先行する。
  • 心膜ノック音:収縮性心膜炎でおこる。
  • 駆出音:心室から半月弁を経て駆出する音。ASやPSでおこる。
  • 収縮中期クリック:僧帽弁逸脱症で起こる。

[編集] 心音の異常

  • Ⅰ音の異常
    • Ⅰ音の亢進:左室収縮力の増強、僧帽弁狭窄、PQ時間短縮、完全房室ブロックで、PとQRSが重なると大砲音という巨大なⅠ音が聴こえる。
    • Ⅰ音の減弱:左室収縮力の減少、僧帽弁閉鎖不全、PQ時間延長
  • Ⅰ音の分裂:脚ブロックで聞かれることがある。
  • Ⅱ音の亢進、減弱:肺動脈成分Ⅱp、大動脈成分Ⅱaが存在。通常Ⅱaが先行する。Ⅱ音の亢進、減弱は難しいので省略。
  • Ⅱ音の分裂
    • 生理的分裂:吸気時にⅡpが遅れる。
    • 病的分裂:Ⅱa~Ⅱpの間隔が呼気・吸気ともに幅広く分裂する。MR、VSD、PS、RBBBでおこる。
    • 固定性分裂:Ⅱa~Ⅱpの間隔が呼吸によらず一定。ASDでおこる。
    • 奇異性分裂:ⅡpがⅡaに先行する。吸気時より呼気時の方が分裂がはっきりする。AS、LBBBでおこる。


[編集] 心雑音

  • 収縮期雑音
    • 収縮期駆出性雑音:Ⅰ音から離れて始まり、Ⅱ音の前で終わる、ダイヤモンド型の雑音。ASD、ECD、PS、AS、肥大型心筋症、機能性雑音でおこる。
    • 収縮期逆流性雑音(=全収縮期雑音):Ⅰ音からⅡ音まで連続する、音量はほぼ一定のことが多い。VSD、MR、TRでおこる。
    • 拡張期雑音:灌水様雑音(=拡張期早期雑音)、Ⅱ音より始まり漸減する。高調音である。AR、PRでおこる。
    • 拡張期ランブル(=拡張中期雑音):Ⅱ音から少し遅れて始まる。低調音でMS、TS、重症ASD、重症VSDでおこる。
    • 前収縮期雑音:Ⅰ音に向かい漸増する雑音。心房収縮でおこる。MSでおこる。
  • 心外性雑音
    • 連続性雑音:収縮期、拡張期を通じて続く雑音、Ⅱ音付近に雑音のピークがある。大動脈-静脈系シャント、冠動脈-静脈系シャントでおこる。
    • 心膜摩擦音:急性心膜炎で聴こえる。
    • ハマンズサイン:縦隔気腫でおこる。


心雑音の定量性はレバインの分類で示すのがマナーである。

レバインⅠ度 極めて微弱で注意深い聴診で聴こえる雑音
レバインⅡ度 弱いが聴診器を当てるとすぐに聴こえる雑音
レバインⅢ度 振戦を伴わない高度の雑音
レバインⅣ度 振戦を伴う高度の雑音
レバインⅤ度 聴診器の端を当てただけで聴こえる雑音、振戦有り
レバインⅥ度 聴診器を胸壁に近づけただけで聴こえる雑音、振戦有り


[編集] 名前がついた有名な雑音

  • グラハムスティール雑音:MSなどによる著明な肺高血圧時におこる拡張期灌水様雑音。機能的PRを起こすことにより生じる。
  • カーリー・クームス雑音:MRなどの際に生じる拡張期ランブル。相対的MSを起こすことで生じる。
  • オースティンフリント雑音:ARの際に生じる拡張期ランブル。相対的MSを起こすことで生じる。
  • to and fro雑音:VSDに合併したAR。連続性雑音との違いはⅡ音と拡張期ランブルの間に間があること。


[編集] 関連して覚えておくべき心エコー

  • 僧帽弁
    • 弁後退速度(DDR)低下 僧帽弁狭窄症
    • 収縮期前方運動(SAM) 肥大型閉塞性心筋症
    • 僧帽弁前尖の細動(fluttering) 大動脈弁閉鎖不全
    • 僧帽弁の収縮期背方運動 僧帽弁逸脱症候群
  • 大動脈弁
    • 大動脈弁の収縮中期半閉鎖 肥大型閉塞性心筋症
  • 心室中隔
    • 心室中隔の奇異運動 心房中隔欠損症
    • ASH(非対称性中隔肥大) 肥大型心筋症
  • 左室壁運動
    • 収縮期壁厚増大 心筋梗塞
    • 局所壁運動 心筋梗塞、虚血性心疾患
  • そのた
    • エコーフリースペース 心嚢液貯留


[編集] 関連して覚えておくべき脈拍の異常

  • 頻脈(100以上):ショック(出血性、敗血症性)、心機能亢進時
  • 徐脈(60以下):甲状腺機能低下症、神経原性ショック、閉塞性黄疸
  • 大脈(脈圧大):AR、PDA、A-Vシャント、バセドゥ病
  • 小脈(脈圧小):AS、心タンポナーデ、VSD
  • 速脈:脈の経時的変化の急速なもの(急速に強くなり、急速に消失する)。AR、PDA、Valsalva洞破裂
  • 遅脈:脈の経時的変化が遅いもの(ゆっくり大きくなり、ゆっくり小さくなる)ASでおこる。
ASでは遅脈、小脈が、ARでは速脈、大脈がみられる。
  • 奇脈:吸気時に呼気時より、その収縮期圧が10mmHg以上低下するもの。左室拡張不全でみられる。心タンポナーデ、収縮性心膜炎、気道閉塞、重症喘息
  • 二峰性脈:収縮期に脈波の峰が2個生じるもの。閉塞性肥大型心筋症、一部のAR、PDA
  • 交互脈:大きな脈と小さな脈が交互に出現する。脈拍そのものは整。左心不全の指標となる。拡張型心筋症


[編集] 心臓聴診の各論的事項

心臓弁膜症を参照に。

  • 僧帽弁狭窄症
Ⅰ音の亢進、僧帽弁開放音(Ⅱ音の後)、拡張期ランブル、前収縮期雑音、グラハム・スティール雑音があることも
エコー上はDDR低下(傾きがゼロに近づく)、後尖の異常前方運動、M弁エコーの増強、多重化、血栓エコー
拡張期に左房左室圧較差が生じる。拡張期には左房と左室の圧が等しくなるはずだが、左房圧が左室圧より高くなり、圧較差が生じる。
  • 僧帽弁閉鎖不全症
Ⅰ音の低下、Ⅱ音の幅広い分裂、Ⅲ音の聴取、拡張期ランブル、全収縮期雑音、エコーではDDR↑
  • 僧帽弁逸脱症
収縮中期クリック(Ⅱ音の前)、収縮後期逆流性雑音、エコー上、収縮期異常後方運動がみられる。
  • 大動脈弁狭窄症
収縮期駆出性雑音、Ⅱ音の奇異性分裂、駆出音、Ⅳ音があることも
収縮期に左室大動脈圧較差が認められる。左室の方が大動脈よりも高い圧を示す。左室の肥大が認められ、ECGではストレインパターンを示す。
遅脈、小脈を示す。
本症は左室の代償機構で長期間無症状で経過する反面、症状出現後は予後不良である。症状出現後の平均余命は狭心痛から5年、失神から3年、左心不全からは2年である。そのため症状が出現したら速やかに手術をする。


  • 大動脈弁閉鎖不全症
Ⅱ音の亢進、Ⅲ音聴取、拡張期灌水様雑音、収縮期駆出性雑音、オースティンフリント雑音、エコー上M弁の拡張期fiuttering、M弁の早期閉鎖
速脈、大脈(脈圧大)を認める。
ASでは遅脈、小脈が、ARでは速脈、大脈がみられる。
収縮期駆出性雑音、Ⅱ音固定性分裂、拡張期ランブル、心エコーでは心室中隔の奇異性運動、右心腔の拡大、前尖の収縮期末期前方運動


全収縮期雑音、Ⅱ音の病的分裂、Ⅲ音、拡張期ランブル、グラハムスティール雑音

[編集] 呼吸音の聴診

[編集] 聴診の方法

  • 「胸の音を聴きます。口を軽くあけて、深呼吸を続けてください。」
  • 聴診器を温める。
  • 「すって~、はいて~」
口でゆっくり深呼吸させる。必ず、呼気と吸気を聴診。左右交互に比較して聴診する。
肺尖、側胸部を含めた胸部全体を聴診する。


[編集] 呼吸音

  • 気管呼吸音
気管、気管支では気流速度が速くまた空気の流出入によって乱流が生じる。これにより強く粗い音が聴こえる。また気管呼吸音は、気管支呼吸音、気管支肺胞呼吸音、肺胞呼吸音に比べて、吸気時よりも呼気時の方が持続時間が長い。
呼気>吸気で呼気の持続時間が長い。
  • 気管支呼吸音
気管支呼吸音は気管呼吸音に比べて、呼気と吸気の音の大きさ、持続時間が等しくなっている。
呼気、吸気ともに大きい。
  • 気管支肺胞呼吸音
肺胞呼吸音と気管支呼吸音の中間的な性質をもつ。呼気時の方が吸気時よりもやや高調で大きい。
気管支呼吸音より小さい。呼気>吸気。
  • 肺胞呼吸音
柔らかく、最も低音である。吸気時は全体で聴診できるが、呼気時では、初期のみで、より小さい音が聴診される。
吸気は小さく、呼気は最初以外聴かれない。


[編集] 呼吸音の異常

副雑音が聴取される前の段階で認められることが多い。
  • 呼吸音の減弱・消失
肺局所の気流速度や換気量の低下により生じる。左右対称に注意深く聴診し比較することによって確認することができる。
ex)気胸、胸水、肺気腫、気道内腫瘍、異物、無気肺
  • 呼吸音の増強
肺局所の気流速度の増加や換気量の増大、また肺胞胸壁への伝播亢進によって生じる。
ex)肺線維症による呼吸困難、気管支炎
  • 呼気延長
末梢の気道が狭窄しているような病態では、空気を速やかに呼出することができないため呼気が延長する。
ex)閉塞性肺疾患(気管支喘息、COPD)
  • 気管支呼吸音化
含気量の低下により肺実質の音の伝播が亢進することで、肺胞呼吸音が聴取されるべき肺野に気管支肺胞呼吸音や気管支呼吸音が聴取される。特に気管支呼吸音が背部や側胸部(特に下半分)で聴取されれば異常である。
ex)胸水、肺炎、無気肺、肺うっ血



[編集] 副雑音

  • 連続性ラ音
    • ①ロンカス、低音性ラ音、いびき様音
低調音「ボー、ボー」、中枢性気管支できくことができる。呼気相、吸気相両方で聞くことができる。咽頭から気管支までの比較的太い気道に狭窄があることを示す。狭窄は炎症や腫瘍、分泌物の貯留と考えられる。→慢性気管支炎(COPDの一部)であることをしめす。
ウィーズより低音性である。咽頭から、主気管支までの閉塞ないし狭窄があることを示す所見であり、この部の炎症(分泌物貯留)、異物、腫瘍などが原因となる。肺水腫の際にも認められるが、この際は吸気のみならず、呼気にも聴かれることが多い。
    • ウィーズ、高音性ラ音、笛様音
高音性「ヒューヒュー」、末梢気管支できくことができる。細い気管支に狭窄があると聞くことができる。狭窄は気管支喘息や炎症、腫瘍などが原因で気道内の分泌物が貯留することによって起こる。→気管支喘息
気管支喘息患者に特徴的なラ音とされている。肺野全体に聴かれ、頸部に最強点がある。気管支喘息以外にも、腫大リンパ節や縦隔腫瘍による、外部からの圧迫、気管支癌、滲出物や粘膜の炎症による気管支内腔の狭窄によって、聴こえる。
びまん性の肺疾患の代表である気管支喘息では病状の重症化とともに音の数が増加するが、さらに重症になると気道が閉塞してしまうため音の数が減少し、聞こえなくなってしまうこともある。昔からの名言に「喘息患者の胸が静かなのは必ずしも好ましい徴候ではなく、むしろ患者が疲れて、閉塞した気道から空気を排出できないのだ」というものがある。必ず全身状態を確認して文脈を作ろう。バイタルサイン、動脈血液ガス検査もみよう。なお。メタコリン負荷中に喘鳴があらわれると気管支喘息が非常に有意になる。ウィーズは努力をすれば聞けてしまうことがあるので注意が必要である。
    • スクオーク、吸気性変調音
ウィーズよりもさらに高音性「ヒュゥ、ヒュゥ」、より末梢で聞くことができる。殆どが吸気相で聞こえる。粘稠な分泌物があることを示している。吸気時の急激な陰圧による気管支径、及び、吸気流速の急激な変化で起こると考えられている。→細気管支炎(特にDPBで重要)
    • ストライダー、狭窄音、吸気時喘鳴
中枢気管支で聞こえる、高音性の連続音。殆ど吸気相、頸部で聞こえる。太い気管支の腫瘍性狭窄によるものと考えられている。音響学的には以下の2点を除き、ウィーズと同じである。ストライダーは吸気時に限られるが、ウィーズは呼気時だけまたは呼気時と吸気時に発生する。ストライダーは頸部で強く聴取されるが、ウィーズは常に胸部で強く聴取される。上気道に閉塞があるとストライダーは患者が開口して早い呼吸をしないと現れないことがある。ストライダーは気道幅が5mm以下であることを示している。
    • 補足
連続性ラ音の場合は音の数が狭窄部位を示すため、疾患の推定には音の数と性質(単音性と多音性)が重要である。肺癌などでは単音声が多い。また、連続音がどの呼吸相のどのタイミングで聞こえるのかを注意深く聴診する必要がある。


  • 断続性ラ音(クラックル)
    • ファインクラックル(捻髪音)
細かい、高音性、短い「パチパチ、バリバリ」という硬い音。吸気相終末期に聞こえる。即ち、十分に息を吸わせないと聞こえないことがある。肺胞間質の肥厚によって閉じやすく、開きにくい(コンプライアンスが低下した)肺胞が開く音である。吸気時に胸腔内圧が陰圧にとなり、正常な肺胞が開いた後で、一気に障害された肺胞が開く時に聞こえるということである。間質性肺炎(特発性間質性肺炎、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、過敏性肺臓炎)などで聞かれる。
特発性間質性肺炎などでは肺底部に好発するため、背部からでないと聴取されないことがある。また体位により音が変化し、坐位で下肺野に明瞭に聴取される。急性の間質性肺炎では細かい典型的なファインクラックルを聴取できる。一方、肺線維症が重症化し、蜂窩肺になると、障害された肺胞は繊維化、癒合化し、呼気時閉じなくなり、やや粗いファインクラックルとなる。
    • コースクラックル(水泡音)
粗い、低調音、やや長い「パチパチ」とした鈍な音である。吸気相の初期から、呼気相の初期まで続く。気道内に液体膜様物があり、呼吸に伴って破裂する音である。肺水腫、肺炎、気管支拡張症、気道分泌を伴う炎症疾患(慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎)などで聴かれることがある。やや粗いファインクラックルとの鑑別は困難なことが多いが音の正常とタイミングの違いで区別をする。
      • クラックルのEBDについて
以下に述べるクラックルは患者が咳をした後でも残るクラックルだけとする。クラックルが存在すれば、アスベスト労働者の肺線維症、心疾患患者でも左房圧上昇、咳と発熱がある患者では肺炎を肯定する所見となる。クラックルは特発性肺炎の100%で認められ、サルコイドーシスの線維症ではわずか20%に過ぎないので、クラックルがなければ特発性肺線維症は否定的となる。仰臥位で認められ、坐位では消えてしまうクラックルを体位性クラックルという。心筋梗塞後に体位性クラックルの所見があれば、肺動脈楔入圧の上昇と予後不良が示唆される。

[編集] 肺外から発生する複雑音

  • 胸膜摩擦音
炎症により粗造化した臓側胸膜と壁側胸膜が摩擦することで発声する音を胸膜摩擦音という。胸膜摩擦音は握雪音と表現され、雪を踏む時の「きゅー、きゅー」という音が呼吸に合わせて聴取される。胸膜の炎症がX線像で分からない程度の状態から診断することが可能である。炎症部位に一致して聴取されるが、胸水によって胸膜同士が離れてしまうと消失する。
  • ハマンズサイン
縦隔気腫で聴取される心音と同期する高音のクリック音で心嚢内に空気が入った場合に聴かれる。捻髪音と表現されることもあるが、ファインクラックと区別がつかなくなるのでハマンズサインと記載するべきである。
    • 胸水を身体診察で見つけよう。(声音聴診)
胸水の有無は胸部X線で必ず読み取らなければならない項目であるが、声音聴診を行えば容易に身体診察でも評価することができる。
患者に低い声で「ひとーつ、ひとーつ」と発声させる。肺野を聴診すると、正常肺野の部位では「おー、おー」と不明瞭に聴こえる。胸水が貯留している部位では「おー、おー」という音が健側に比べて小さいがやや高い明瞭な音で聴取される。これを山羊音という。山羊音は肩甲骨下角で聴取されることが多いため、同部を中心に聴診する。声音聴診では特に左右差に気をつける。咳と発熱のある患者では山羊音があれば肺炎を強く示唆する。また音声聴診をする場合は合わせて音声振盪も検査しておくことが望ましい。
    • 声音振盪
声音振盪とは、発声した際に生じる声の響きが、肺を通って体表まで伝わる現象のことである。まず手掌基部を背部の肺野にあてる(手拳の尺骨側を当てても良い)。両手で同時で行って片手ずつ行っても良い。患者さんに「ひとーつ、ひとーつ」と発声してもらい、手に響く感覚を調べる。特に左右差に気をつける。亢進している場合は限局性の肺炎の疑いがあり、減弱や消失している場合は胸壁への音の伝導が妨げられている状態を示す。具体的には、①痰や胸水の貯留②無気肺③気胸④広範囲の胸膜肥厚などの疑いがある。

[編集] ユニークな方法

  • 肺胞呼吸音の定量的評価
肺胞呼吸音の強さは口を通過する空気の流量に比例するが、一方、その流量は患者の努力や換気能に左右される。したがって、呼吸音は正常人が運動後に激しく呼吸をすれば強くなるが、閉塞性呼吸器疾患で流量が減少していれば弱くなる。呼吸音は気胸や胸水のように、胸壁と肺の間に空気や液体が介在する場合も減弱する。そこでPardeeは肺胞呼吸音のスコアリングを考案した。胸部の6箇所(左右の上前部、腋窩中線、背部肺底部)を次々と聴診し、各々の部位を以下のように点数化する。吸気音なしなら0点、殆ど聞こえないなら1点、かすかだが確かに聞こえるなら2点、正常なら3点、正常以上なら4点とする。すると合計点は0点から24点の範囲おさまる。呼吸音得点が9以下は慢性の気道閉塞の有力な根拠となり、15以上はその診断を強く否定する根拠になる。
  • 努力性呼気時間
胸骨上陥凹部の気管上にベル型の聴診器を置き、患者に深く息を吸い、それを思いっきり早く呼出するように指示する。ストップウォッチを使い、聴取可能な呼気の時間を2分の1秒単位まで測定する。努力性呼気時間が3秒以内であれば閉塞性疾患は否定的であり、9秒以上であればその可能性が高まる。努力性呼気時間は閉塞に対する特異的な検査法である。拘束性肺疾患では、閉塞性肺疾患と同様に1秒率の減少はあるが、努力性呼気時間が4秒以内であるのが通例である。

[編集] 腹部診察

  • グル音
  • 腹部血管雑音


[編集] 参考文献

  • イヤーノート内科外科等編 2007年版 メディックメディア ISBN : 978-4-89632-150-0
  • マクギー身体診断学 エルセビアジャパン
  • 内科診断学 医学書院
  • 診断と手技がみえるvol.1 メディックメディア
  • ダイナミックメディスン 西村書店

[編集] 関連項目

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