西山卯三
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西山 卯三(にしやまうぞう 1911-1994年)は日本の建築学者、都市計画家。住宅問題を科学的に研究する基礎を築いた。
大阪生まれ。京都帝国大学建築学科に入り、同級生らとともにマルクシズムに共感を寄せた。1933年卒業後、石本喜久治の設計事務所に入所。10か月ほどで兵役(内地勤務)に就いた。除隊後、大学院に進み、1940年、住宅営団(住宅公団の前身)研究部に入った。1944年に京大講師。その後、同大営繕課長になり、防空壕作りなどを行った。第二次世界大戦後、同大助教授、また京大教職員組合委員長を務めた。1961年に同大教授(組合活動のため昇任が遅れたという)、1974年に退官した。
庶民の生活実態を詳細に調査し、住宅は食事の場所と寝る場所を明確に区分すべきという「食寝分離」を理論化した。この理論は第二次世界大戦後の住宅公団に影響を与え、nDKの間取りを産んだと言われる。
また、京都の都市計画にも提言を行った(25階建の超高層住宅)。
自らの住まいの変遷を描いた『住み方の記』で日本エッセイストクラブ賞を受賞。ほかに『日本のすまい』『まちづくりの構想』などの著書がある。