西武571系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西武571系電車(せいぶ571けいでんしゃ)は、西武鉄道が1962年(昭和37年)に501系 (2代)の6連化用として登場させたサハ1551形が前身である。571系という形式を与えられたのは1978年(昭和53年)になってからである。2連5本が在籍した。
目次 |
[編集] 概要
他の20m車よりも出力の大きい128Kwのモーターを装備していた、4連の501系 (2代)を6連化する目的で、サハ1551形1563~1572として10両製造された。501系 (2代)は片開き3ドアだったのに対して、増備されたサハは両開き3ドアで側面窓配置も異なるという奇妙な形態であった。これが伝説に残ると言われる「2M4T編成」である。
サハの組み込みでMT比が低くなった結果、出力不足で加速に難が生じることになったため、1968年(昭和43年)に501系 (2代)から外され、10両のうち半数が電装されてモハ571形・残る車両もサハ1571形となり、551系の6連化用中間車として編入された。なおモハ579だけは電装が遅れたため、クモハ559~の編成だけは一時期2M4T編成を組んでいた。この際クモハ559と560は台車・主電動機をそれぞれTR22・MT30に交換した。
さらに411系の401系化により旧性能車の2連が車両不足になったため、1978年(昭和53年)モハ571形・サハ1571形は再び編成を離れ、運転台を新設されクモハ571形・クハ1571形として誕生した。池袋線・多摩川線などで増結用・支線区用として使用されたが、1988年(昭和63年)までに全車引退した。
[編集] その他の特徴
[編集] 足回り
台車は当初は古いイコライザ式のTR14A形(電動車)とTR11A形(付随車)を履いていたが、571系化後の晩年は空気バネ式のFS40形に交換された。モーターは100KwのMT-15E形、制御器はCS-5、制動装置はAMAE(電動車)・ACAE(付随車)。
[編集] 車体
前面は451系と同様の切妻非貫通形であるが、当初からシールドビーム2灯のヘッドライトと、旧性能車唯一の埋込式行先表示器を装備していたため、むしろ同時期に改造された401系に似ている。側面は551系や451系と全く同様。
[編集] 譲渡車両
西武鉄道にて廃車後は、三岐鉄道にクモハ577+クハ1578の2連1本が譲渡され、601系クモハ607+クハ1608を名乗っている。既に存在していた451系改造のものとは前面スタイルが若干違う。現在は同社唯一の非冷房・吊り掛け駆動方式の電車となったが、イベントなどでは欠かせない存在になっており、暫くは活躍する姿が見られそうである。