超新星残骸
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超新星残骸(ちょうしんせいざんがい、Supernova Remnant)とは、超新星爆発の後に残る星雲状の天体である。
超新星爆発の結果として中性子星が作られることがあるが、発見されている中性子星の周囲に超新星残骸があるものは少ない。 これは超新星爆発のわずかな非対称性によって中性子星が爆発の中心から弾き飛ばされてしまうためと考えられている。
超新星爆発で放出される物質はほぼ球対称に拡がるため、地球から観測した場合には超新星残骸は円弧状の形に見えるものが多いが、かに星雲のように不規則な形状のものもある。
超新星爆発が起こると星の外層のガスは衝撃波によって吹き飛ばされる。 この際に衝撃波による断熱圧縮や放射性元素の崩壊熱でガスは加熱され非常に高温になり光を放射する。 超新星残骸を構成しているガスの温度は100万K以上であり、通常の散光星雲よりもはるかに高温である。 そのため通常の散光星雲に見られるような水素原子の再結合に伴う輝線以外に、磁場中を高速で運動する電子によるシンクロトロン放射が観測される。 このようにして爆発直後の超新星残骸は輝いている。
超新星残骸はその後も周囲の星間ガスを取り込むようにして膨張を続けていく。 高速で膨張していく衝撃波面が周囲の星間ガスに衝突し断熱圧縮されることで高温の状態が維持される。 このようにして超新星残骸は膨張速度が衰えて高温の状態を維持できなくなるまで数万年程度輝き続ける。
[編集] 主な超新星残骸
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