過不足算
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過不足算(かふそくざん)は文章題の一種。
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[編集] 概要
- ある人数でいくつかあるものを分ける。このときの過不足から、人数と全体の個数を求める問題。
似たような問題に差集め算(さあつめざん)がある。 いずれも、
全体の差÷1つあたりの差=いくつ
で求められる。
しかし、子どもには、例題1、例題2、例題3は少し違ったものに映るようなので、はじめは3つの型があるとして与えるとよい。やがて、自分で、3つの型は結局同じものであると気づく。
- 古くは「盈(えい)不足算」ともいわれていた。
[編集] 歴史
- 中国の数学書、九章算術に同様な問題がある。
- 日本では、塵劫記に布盗人算(きぬぬすびとざん)として登場する。
[編集] 例題1
泥棒たちが盗んだ布を山分けする。布を8反ずつ分けると4反あまり、10反ずつ分けると8反足りない。泥棒は何人いるか、また布は何反盗んだか。
[編集] 解法
- 過不足算の解法はいろいろなものが知られていて(ただ本質的な差はほとんどなく、どちらかといえば表現の問題だが)人によってかなり好みも分かれるようである。
- 一応ひとつの解法として次のようなものがある。
- 盗んだ布を8反多いことにしてみる。すると8反ずつ分ける方法では、12反あまり、10反ずつ分ける方法ではちょうど割り切れることになる。
- これより、2反 * 人数 =12反であることがわかる。
- これより、泥棒は6人、また、簡単な計算により、盗んだ布は52反だったことがわかる。
[編集] 別解
全体の差÷1人分の差=人数
(8+4)÷(10-8)=6(人)
8×6+4=52 (反)
または
10×6-8=52 (反)
■答え■ 8人 52 (反)
[編集] 例題2
泥棒たちが盗んだ布を山分けする。布を8反ずつ分けると12反あまり、10反ずつ分けると2反あまる。泥棒は何人いるか、また布は何反盗んだか。
[編集] 解法
全体の差÷1人分の差=人数
(12-2)÷(10-8)=5(人)
8×5+12=52 (反)
または
10×5+2=52 (反)
■答え■ 5人 52 (反)
[編集] 例題3
泥棒たちが盗んだ布を山分けする。布を8反ずつ分けるには2反不足し、10反ずつ分けるには12反不足する。泥棒は何人いるか、また布は何反盗んだか。
[編集] 解法
全体の差÷1人分の差=人数
(12-2)÷(10-8)=5(人)
8×5-2=38 (反)
10×5-12=38 (反)
■答え■ 5人 38 (反)