長谷部一三
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長谷部 一三(はせべ かずみ)は、白い巨塔の登場人物で、架空の人物。北海道大学医学部外科教授。 癌治療における化学療法を専門とし、外科的療法と化学療法の併用とも言える「マイトマイシンの大量ワンショット療法」など様々な治療法を考案して実績を挙げる。
財前五郎の誤診事件の控訴審に原告側鑑定人として出廷し、佐々木庸平の癌が化学療法によく反応するタイプの癌であること、肺炎の症状が起こった時点で化学療法を行うべきであったと主張。慎重な態度に終始したが、術後21日目に死亡することは避け得たと明言した。また、原告代理人の国平弁護士の反対尋問に対しては「執拗に副作用の危険性を持ち出すが、本件に制癌剤を使用したら21日以内に死亡するというデータでも持っているのか?」と逆に質問、狼狽する国平に「他に方法が無いなら、たとえ多少のリスクがあってもやってみるのが医者のモラルである。」と鋭く反論した。
依頼を受けた当初は鑑定を断るつもりだったように、慎重で消極的な態度の持ち主で化学療法についても非常に慎重な姿勢を取っているが、それは化学療法に対する世間の熱い期待を知っているからで、心の内には患者に対するヒューマニティが溢れている人物であり、里見脩二に類する人物とも言える。
余談ながら、1978年のドラマでは長谷部としての登場は無く、関東医科大学の正木徹助教授がその役割の一部を担う格好となった。