防寒戦闘服外衣
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防寒戦闘服外衣(ぼうかんせんとうふくがいい)は陸上自衛隊で使用されている戦闘装着セットの1つで、上衣とズボンで構成されている。迷彩パターンは戦闘服の緑色と茶色を反転させたものである。素材は難燃性ビニロン70:綿30の平織りで、防水加工も施されている。戦闘服と織り方が違い、生地も若干薄い。サイズ構成は、戦闘服と同じようである。なお、採用当初は対赤外線加工が施されていたが、数年前からアイロン使用による赤外線加工がとれる影響もあり、未加工になっているようだ。
[編集] デザイン
[編集] 上衣
従来使われてきた作業外被と比べ、格段に機能性が向上しており、取り外し可能なライナーも付属する。裏地は総裏である。よくM65と似ていると評されるが、似ているのは襟にフードを収納する点(襟にフード全体をたたんで入れるので、若干違うが)、襟を立てたとき、前を閉じるベルクロファスナーが付いている点ぐらいで、全体的な造りはゆったりとしており、着丈にあってはまるでハーフコートのようである。また、4個のポケットもすべてまち付きのパッチポケット、OD色に塗装されたむき出しのスナップボタンで留めるようになっている。前合わせ部分は、YKK製のプラスチックファスナーで、上下からの開閉が可能となっており、さらにスナップボタン(これまたむき出し)で留める。脇の下には通気用のハトメがあり、その部分の裏はメッシュにいるなど芸が細かい。また両脇にもファスナー開閉式の開口部があり、中の戦闘服胸ポケットの内容物を取り出せるようになっている。ただし、ライナー装着時には不可能。腰部には調節用の紐(ドローコード)があり、また背面には戦闘服同様に、偽装用ループが縫い付けれている。
付属するライナーも同じ素材で作られ、キルティングを施したベスト状の形態で、本体6か所にある白いゴムひもにボタンで装着する。
[編集] ズボン
こちらにはライナーは存在しない。ウエストにはゴムが入れられ、その上から付属のベルト(形状は戦闘服ズボンに酷似)でしめる構造である。両脇にはやはり上下から開閉できるファスナーがあり、戦闘靴を履いた上からの脱着衣を可能にしてある。ポケットは右臀部にパッチポケット、腰部に左右1つずつのポケット(表面からは見えない)がある。裾には調節用のスナップボタンがあり、2段階で裾を絞れるようになっている。裏地は総裏である。
上衣、ズボン共ファスナーには手袋使用時にも開閉しやすいよう、紐が結びつけてある。