ノート:青騎士
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210.254.117.240様
こんにちは。
「青騎士」という訳語の問題ですが、私も一旦、「なお、「青騎士」という日本語訳であるが、「der Blaue Reiter」を正確に訳せば「青い騎手(青騎手)」であり(「Reiter」には、「騎士」といった「兵士」の意味はない)、明らかな誤訳であるが、日本においては完全に定着しており、訂正しようという大きな動きはない。」と投稿して(2003年12月9日・203.140.123.171)、あわてて、取り消しました。
その理由は、以下のとおりです。
1)この説の出典(どこで読んだのか、または、どこで聞いたのか)を思い出せなかったこと。
2)独和辞典(複数)を見ると、「Reiter」には、「騎手」と並んで、後ろの方に必ず「騎兵」または「騎士」の訳語もある。「騎士」の独語訳としては「Ritter」が普通であるから、「Reiter」の直訳としては「騎士」は不自然ではあるが、誤訳とまではいえないのではないかと思ったこと。
3)どういう意味で「Reiter」という単語を用いたかという点については、カンディンスキーがどう考えていたかが重要であるが、青騎士の始まる1911年の直前に、カンディンスキーに「騎士」(単なる騎手ではなく)が登場する作品が複数存在すること。
例えば、2002年に日本で開催された「カンディンスキー」展のカタログを見ると、cat. no. 14の「インプロヴィゼーション4」(1909年)には、「木の後ろに騎士のいる絵」という副題が付されていたという(ただ、この副題に該当するオリジナルのドイツ語はカタログには未記載。45ページ)。また、cat. no. 18の「聖ゲオルギウスII」には、単なる騎手ではなく、戦う騎士が描かれている(64ページ・65ページ)。
また、遡って、1987年に日本で開催された「カンディンスキー」展のカタログを見ると、「1901年ころからミュンヘン時代を通じて彼の作品にくりかえし登場する騎士は、…」とある(52ページ)。また、cat. no. 17の「印象4(衛兵)」(Impression 4 (Gendarm))には、騎士が描かれています(58ページ・59ページ)。
このあたりは、どのようにお考えでしょうか?
正直なところ、私もどう考えていいのかわからなくなっておりますので、特に、青騎士が誤訳であるという説の出典について、お教えいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
20世紀(前半)美術 14:39 2003年12月31日 (UTC)
Reiter という単語は、動詞 reiten (「馬に乗る」の意)から来ています。ちょうど英語で言えば、ride と rider の関係です。ようするに「乗り手」ですね~。「騎士」を明確に指す場合、英語でも knight という単語があるように、独語にも Ritter という語があるのです(こちらも恐らく reiten から来てる)。従って、もし騎士のことを言っているのであれば、der blaue Ritter と名付けるはずであって、Reiter とわざわざするはずはないでしょう。英訳でも the Blue Rider ですしね~。
辞書に「騎士」または「騎兵」という意味があるのは、「乗り手」という単語が、状況・文脈によって、それを指す場合もある、といったことではないでしょうか(独独辞典、今度調べます)。そもそも「騎士」というのは、単に馬付きの軍人ではなく、あちらでは身分をも示しているわけですから、Reiter としかないものを「騎士」って訳したらまずいのではないでしょうか~。一応、独独調べるまでは、そこのところ濁しておきます。
「青騎手」の由来については、カンディンスキーがコメント残してますよ~。いま、手元にないんでわかんないですけど、確か全く「騎士」とは無関係だったと思います。マルクが馬好きで、カンディンスキーが青が好きだったからとかだったかなぁ??