首実検
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首実検(くびじっけん)とは、前近代、配下の武士が戦場で討った首の身元を大将が判定し、論功行賞の重要な判定材料とするために行われた作業。本当に申告した本人の戦功であるかの詮議の場でもあった。
大将や重臣が、討ち取ったと主張する者にその首を提出させ、相手の氏名や討ち取った経緯を(場合によっては証人を伴い)確認したうえで戦功として承認する。首級の確認は、寝返りや捕虜となった敵方に確認させることもあった。
首実検の前には、武士の婦女子により首に死化粧が施された(『おあむ物語』による)。また、戦死者の格式に応じて供物が用意され、大将の首には昆布や酒などが供えられるなどした。大将格の首であれば首対面、重臣級の首であれば検知などと名称も変化している。行刑の場で行われる事は少なく、刑死者に対する首実検の例も多くない。
現在は一般に、警察が被疑者を真犯人であるか否か検証する為に目撃者に被疑者の面相を確認させる行為(面通し)を指す俗語として用いられることが多い。