Digital Novel Markup Language
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Digital Novel Markup Language(ディジタルノベルマークアップランゲージ、DNML)は、花梨氏が開発した、ビジュアルノベル形式のゲームを作成可能なフリーソフトウェアおよびその記述方式。HTMLとよく似た構文を採用しているため、比較的容易にゲームの作成が可能。
直感的でわかりやすいプログラミング体系を採っていること(背景を表示する→人物を登場させる→セリフを表示する→人物を退場させる、といった具合に、表現上の流れをそのまま記述する)と、Susieプラグインを用いることであらゆる画像形式に対応できたことから、美少女ゲームの二次創作ツールとして人気を誇った。なお、文章の表示領域を自由に定義できるため、メッセージウィンドウを用いたアドベンチャーゲームも作成可能。
DNMLで記述されたファイルはDNMLブックと呼ばれ、最盛期にはDNMLブックを多数収録したデジタルノベルアンソロジー「DNA」が同人誌即売会などで頒布・配布され、最終的には出展回数60回、頒布・配布枚数6000枚に及んだ。
なお、2000年に発表されたVer2.24以降、作者より開発に割ける時間が減ってきたことを理由に開発終了宣言が出され、以降のバージョンアップはない。
DNMLは元来ノベルゲームを制作するためのツールであったが、フラグ管理システムを駆使したコマンド選択型格闘ゲームなども制作された。
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[編集] 二次創作のもととなったゲーム
主なものに、Leafのビジュアルノベルシリーズ(雫・痕・ToHeart)、TacticsのONE ~輝く季節へ~、KeyのKanon・AIRなどがある。これらは当時、絶大な人気を誇っていた作品群であり、マンガやイラスト、小説などの二次創作作品が数あまた制作された。そのなかでDNMLは原作の画像、音楽をそのまま用いることができるという特徴から、原作の雰囲気に最も近い二次創作として多数の愛用者を獲得することとなる。
上記のほかにもSusieプラグインが提供されているゲームには(数の多少はあれど)たいていの作品がDNML化された。
[編集] DNMLが抱えている問題
[編集] 対応画面サイズ
DNMLの対応している画面サイズはマニュアルでは自由に設定可能となっているが、実際はバッファサイズの関係で640x480(VGA)が最大サイズとなっている(これ以下であれば自由に設定可能)。このため二次創作のもととなるゲームの画像サイズが800x600(SVGA)にシフトしてきた今日では、DNMLで用いることが不可能であり、需要は落ち込んだ。2004年に発売されたKeyのCLANNADは画面サイズが640x480であったため、再び多数のDNMLブックが作成されたが、往年の勢いはない。
[編集] 原作画像を用いることによるクレーム
原作の画像を用いた二次創作の場合、ユーザは自身のPC内にインストールされたゲームのデータを用いてDNMLブックを閲覧することになるが、一部のメーカはこのような行為に難色を示していた。そのため難色を示していたメーカのゲームを題材としたDNMLブックおよびSusieプラグインは一時期、即売会やインターネット等での頒布が見送られた。
[編集] 分岐のない一本道シナリオ
問題と言うほどのことではないが、公開されたDNMLブックのほとんどはシナリオが分岐しない一本道のシナリオであった。DNMLにはフラグ管理システムがあるため、マルチシナリオ・マルチエンディングのゲームも作成可能であったが、ほとんどのDNMLブックでは小さな分岐用としてしか用いられなかった(選択肢によってセリフが変わる、など)。
[編集] 外部リンク
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