DRA-CAD

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「DRA-CAD」について、利用者の面からの記述です。性能面の説明は、別の項に譲ろうと思い、書き始めます。

1980年頃、個人設計事務所向けCADシステムの導入費用は、500万円程でした。

その直後の、NEC PC-9801シリーズ全盛の頃、また、大塚商会の全盛時代、大塚商会の営業マン達は、ワープロソフト「オーロラエース」をパソコンと一緒に売りながら、CADソフト（名前は忘れました）も売り歩いていました。

ある程度の規模の設計事務所では、導入し、主に「日影図」の作成に利用していたようです。

その頃、建築雑誌で、どこかの「寺院」の図をイメージとした広告が目に止まるようになり始めました。

「DRA-CAD」の広告だったと思いますが、価格には目もいかず、自分には関係がないものと、見過ごしていました。

何かのきっかけに、大塚商会の営業マンに「DRA-CADって知ってる？」と聞いたところ、あわてて調べた結果、「どこで調べましたか？」という状況で、有名なCADではありませんでした。

取りあえず、NEC PC-9801シリーズの導入の際、「構造システム」という会社名を告げ、価格が35万円である事を調べてもらい、注文しました。

製品版の「DRA-CAD」を購入したのですが、練習用の「DRAビギナー」も勝手に付いてきたのを覚えています。付録ではなく価格は、5万円でした。

同じ時期に、大学の建築学科で、製図の授業にも取り入れられました。各大学の製図演習室から製図板が消えるという現象も現れましたが、一時的なものだったようです。

ユーザーの立場から見た場合、「株式会社バス」という実験会社を作り実際に、設計業務を行いながら、不具合を「DRA-CAD」に反映させるなど頼りになる会社だと感じていました。

使い始め、ユーザーサポートに電話をし、質問する事も楽しみになりました。

男性社会の設計事務所から、優しい？女性が対応するユーザーサポートに質問すると、親切に教えてくれたものでした。時にはＫ嬢のような、こわい方もいらっしゃいましたが、質問するのは楽しみでした。

MS-DOS時代には、「DRA-CAD2 V2」で完成の域に達したと思われた後、MS-Windowsが現れ、色々なOS向けの製品が開発されました。 Mac版も開発されたりしましたが、実用的では無かったように思います。

＜＜ただし、開発者側から見れば、また違った見方もできるでしょう。＞＞

その後、OSの「Windows95」が発売された時点で、CADを動かすハードが無くなってしまい、仕方なく「DRA-CAD for Windows」を導入しましたが、DOS時代の面影はなく、使い勝手は、実務で建築の設計図を作成する事を知らない開発者達が作っているのでは？、と感じるようになりました。

その後、電子納品のために「AutoCAD」を導入したり、世の中で主流となってしまっていた「JW_CAD」等を使って仕事をしましたが、やはり最初に覚えた「DRA-CAD」は手放せなく、今も使い続けています。