Dvips
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dvipsはTeXのDeVice-Independent(デバイス非依存)なファイル形式DVIから印刷可能なPostScript形式に変換するために、今日広く使用されているプログラムである。 作者はTomas Rokicki.
TeXは組版結果をDVI形式で出力する。このDVIファイルをプリンターが直接取扱うことは無く、そしてこのファイルにはフォントのグリフなどの情報は含まれていない。したがって、印刷や画面表示などを行なう場合は変換プログラムでDVI形式からプリンター言語やビットマップ画像に変換する必要がある。 これらの変換を行うソフトウェアをDVIドライバという。
dvipsはプリンタが直接理解できるようなPostScriptを出力するDVIドライバの中で最も有名なものの一つである。 dvipsの生成するPostScriptはサイズが小さく、プリンタのメモリ消費量も比較的少ない。 また、TeXの\special
コマンドや仮想フォントなどの拡張を幅広く理解できることも特徴である。 \special
コマンドはDVIファイルを拡張するために用意されたコマンドであり、このコマンドを用いてPostScriptコードの埋め込みや取り込み、色に関する処理などが行われる。 dvipsは色などの基本的な\special
コマンドの他にMetaPost, emTeX, tpic, PSTricksといったグラフィックパッケージが生成する拡張された\special
コマンドにも対応している。
PostScriptを生成する同種のDVIドライバとしては、dvi2ps, dvipsoneなどがあるが、グラフィックパッケージの対応状況や対応フォントの広さから今日ではdvipsが標準的な地位にある。こういった事情からdvipsはほとんどのTeX/LaTeXディストリビューションで標準配布のパッケージ一式の中に含められている。
dvipsにパッチを充てて機能を拡張したものもしばしば配布される。このような機能拡張版はコマンド名やバナーにもとのdvipsとの違いを見てとることができ、たとえばTeXのフォントサーチ機構 (kpathsea) に対応させるパッチを充てたdvipsはdvipskという名前でいくつかのTeXのディストリビューションの標準配布に含まれている(dvips, dvipskがともに含まれている配布も少なくない)。他にもローカライゼーションのための変更を加えることもよくあることで、日本ではdvipsの日本語化パッチをあてpTeXに対応したものが知られるが、コマンド名としてはdvips, dvipsk, pdvipsなど配布元によっていくつか異なるものがある。また、PDF形式へ変換するために、一旦dvipsでPostScriptを出力した後にDistillerやGhostscriptなどで変換してPDF形式を得るという使い方もよくなされている(dvipdfm(x)というプログラムを用いてDVIファイルから直接PDF形式を得ることも多い)。
[編集] 外部リンク
- dvips(k)本家(英語版)
カテゴリ: TeX | PostScript