PBY (航空機)
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PBYはアメリカ合衆国のコンソリディーテッド社が開発した飛行艇。愛称はカタリナ(Catalina)。1935年初飛行。第二次世界大戦中はアメリカ海軍を始めとして、連合国各国で哨戒機として用いられた。
[編集] 概要
アメリカ海軍における哨戒用飛行艇として、1933年よりXP3Y-1(社内名称:モデル28)として開発が開始された。1935年3月に初飛行し、同年6月に量産発注がなされPBY-1の名称が付けられている。名称変更は哨戒機・Pから哨戒爆撃機・PBへの分類変更によるものである。
双発・レシプロ機であり、主翼はパラソル配置となっている。主翼端にフロートを持つが、これは飛行中は持ち上げられ、主翼と一体になる。これにより空気抵抗を減じている。水平尾翼は垂直尾翼の中ほどにあり、また垂直尾翼における方向舵の割合が高い。
1937年からアメリカ海軍に部隊配備が開始され、哨戒任務のほか救難任務にも使用された。アメリカ海軍のほか、アメリカ沿岸警備隊・イギリス・カナダ・オーストラリアなどでも使用された。
[編集] 各型
- XP3Y-1:試作機。
- PBY-1:初期量産型。60機生産。
- PBY-2:水平尾翼の改修。50機生産。
- PBY-3:エンジンをR-1830-66(900馬力)に換装。66機生産。
- PBY-4:エンジンをR-1830-72(1,050馬力)に換装。33機生産。
- PBY-5:エンジンをR-1830-90(1,200馬力)に換装。胴体後部左右に大型ブリスター付の銃座を設置。684機生産。
- PBY-5A:機首下面および胴体側面に引き込み式の車輪を装備。水陸両用機となる。802機生産。
- PBY-6A:レーダーを増備。水陸両用機。175機生産。
[編集] 要目(PBY-5A)
- 全長:20.1m
- 全幅:31.7m
- 全高:6.2m
- 自重:9.5t
- エンジン:P&W R-1830レシプロエンジン 2基(推力:1,200馬力)
- 最大速度:時速280km
- 航続距離:3,790km
- 乗員:9名
- 武装:12.7mm機銃2門、7.7mm機銃3門、爆弾1.8t