山田風太郎
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山田 風太郎(平假名: やまだ ふうたろう、1922年1月4日—2001年7月28日)日本著名小說作家,原名山田誠也。
兵庫県立豊岡中学校を経て東京医科大学医学部卒業。戦後日本を代表するエンターテイナーであり、晩年から死後にかけて「戦中派天才老人」などと呼ばれることが多い。
『南総里見八犬伝』をはじめとした日本の古典伝奇文学に造詣が深く、それらに影響を受けた奇想天外な大衆小説とエッセイを執筆。馳星周や菊地秀行、京極夏彦、故中島らもなど、プロの作家にもファンは多かった。
戦時中に書き記した日記は後年作品として世に出るが、記録文学の傑作との呼び声高く、著者の再評価にもつながった。なお、風太郎の命日である7月28日は奇しくも師の江戸川乱歩と同日である。
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[编辑] 筆名
筆名は、中学生時代に3人の友人らと互いに呼び合うのに用いた雷/雨/想/風という符丁、そして受験雑誌への投稿時代にペンネームとして使用した「風」に由来する。当初は「かぜたろう」と読ませたかったようである(国立国会図書館のデータベースにその名残が見られる)が、最終的に「ふうたろう」で定着した。
なお生前の決めた戒名は風々院風々風々居士である。
[编辑] 原点
山田風太郎作品にほぼ全て共通する、一歩引いた視点からの人間の見方は幼少時の両親との死別、そして多感な青春時代に起こった太平洋戦争により型作られた。特に徴兵検査で体格不適格、「列外の者」とされたことは、彼の内面に「社会から疎外された者」としての意識を形成することになった。
[编辑] 経歴
兵庫県養父郡関宮町(現・養父市)に父母ともに医者の家系の家にうまれる。
[编辑] 学生時代の投稿
正式なデビュー以前、旧制中学時代に何度か雑誌に受験小説作品を投稿し、入賞している。これらの作品群は、2001年から2002年にかけて発行された光文社文庫の『山田風太郎ミステリー傑作選』で初めて単行本に収録された。
[编辑] 初期・ミステリと時代小説
『宝石』の短編懸賞に応募した『達磨峠の事件』が入選(1947年1月号に掲載)したことによりデビュー。戦後の荒廃した世相を背景とした推理小説を中心に多数の作品を発表。また、同期の作家である高木彬光と日本初の合作小説である『悪霊の群』を執筆するなど意欲的な活動を続ける。長編作品『誰にも出来る殺人』、『棺の中の悦楽』等は、読み切り形式の連載作品特有の、一話分のストーリーで起承転結をつけるという制約を守りつつ、全体としても意外な結末へと導く工夫を凝らした作品となっている。その中でも特に最高傑作として『太陽黒点』を挙げる向きも多い。
デビュー以来の10年、日本ミステリ界の巨人であり、宝石の編集長を自ら務めた江戸川乱歩への恩もあってミステリ作品を執筆していたが自分には向いていなかったと山田風太郎は語るが、多数の傑作を残した事は事実であり、2000年に日本ミステリー文学大賞を受賞した事がそれを何よりも裏付けている。なお、いわゆる現代を舞台にしたミステリ作品は後述の忍法帖が発表された後の1960年代半ばまで執筆されていた。
また、鼻がペニスという突拍子も無い設定の『陰茎人』をはじめとするユーモア、ナンセンス作品、学年誌に発表したジュニア向け作品や歴史を扱った小説を多数発表。『山屋敷秘図』に代表される切支丹もののように日本を舞台にした作品だけでなく、原稿料のかわりに貰った中国の四大奇書のひとつである『金瓶梅』をミステリ作品として大胆に再構成した傑作『妖異金瓶梅』はその後忍法帖を執筆するきっかけとなった。
2001年に光文社文庫から刊行された『山田風太郎ミステリー傑作選』全10巻と出版芸術社のハードカバー、『山田風太郎コレクション』1巻、2巻でほぼ全てのミステリや少年もの作品を読む事ができる。
[编辑] 忍法帖とブーム
『妖異金瓶梅』の後、同じく四大奇書である『水滸伝』を翻案しようと試みるが、108もの武術を考えるに至らず、かわりに忍法という名の奇想天外な術を創作、1958年に発表した『甲賀忍法帖』を皮切りに、安土桃山時代から江戸時代を舞台として、想像の限りを尽くした忍法を駆使する忍者たちの死闘を描いた、いわゆる忍法帖もので一世を風靡する。1963年から講談社より発売された『山田風太郎忍法全集』は当初全10巻の予定であったが、刊行途中で連載を終えた『柳生忍法帖』を加える形で最終的に全13巻となり、最終的には累計で300万部を売り上げるという爆発的なベストセラーとなった。
基本的に長編の忍法帖作品は連載後必ず単行本として発売されたが、唯一1969年発表の『忍法創世記』のみ、2001年に出版芸術社によって初めて単行本として纏められ、2005年には小学館文庫に収められた。当時出版されなかったのは、天皇と三種の神器を扱っていたためといわれている。他に特殊な例として、現代を舞台とした異色作『忍法相伝73』は1960年代に刊行された単行本でしか読む事が出来ない。
1970年代後半から、佐伯俊男による官能的な表紙絵で角川文庫から多数発売された。1981年の『魔界転生』映画化がきっかけとなり、再び忍法帖は脚光を浴びる事となるが。現在ではほぼ絶版だがなぜか『忍法剣士伝』だけは佐伯俊男の表紙のままで発売しており、2003年の『魔界転生』の再映画化に伴い寺田克也による表紙で数作品が復刊した。なお、1990年代に講談社がノベルスという形で忍法帖のほぼ全ての長編、短編作品を発売したが、90年代の終わりにそのうちの数作品が天野喜孝による表紙で文庫として再発売されると全て絶版となった。だが2004年から2005年にかけ、筑摩文庫で『忍法帖短編全集』が全14巻として発売され、それが終わると同時に河出文庫から五期計画で現在新刊として読む事が出来ない忍法帖長編を発売していく計画が立てられたが、現段階では第一期の3作品、『信玄忍法帖』『外道忍法帖』『忍者月影抄』のみ刊行された。
ブームの影響もあり忍法帖シリーズの執筆は10年以上に渡って続く事になるが、1970年代に入ると幕末を舞台とした作品を手掛けるようになり、それに橋渡しをする形で1973年に最初の明治もの『警視庁草紙』の連載が始まる。だが最終的に忍法帖に当てはまる最後の作品は、1974年発表の明治を舞台とした『開花の忍者』である。
[编辑] 明治もの・史実の交差
山田風太郎の明治ものと呼ばれる作品群は、1973年に連載が始まった『警視庁草紙』は明治時代初期、次に発表された『幻燈辻馬車』は中期と、作を進めるごとに時代が下ってゆく。そして、我々にも馴染みの深い、あるいは名前は知っている歴史上の人物や事件同士を交差させるという大胆な手法が特徴である。史実と史実の間をもしかしたらありえたのではないか、と想像力を駆使して歴史を紡ぎ出すこの手法は、まず史実を踏まえている事を前提として、次にその人、あるいは事件を可能性の中から模索して結びつけている。ここで何らかの矛盾が生じてしまっては元も子もなくなってしまう。これら明治ものは、山田風太郎作品における構成力の緻密さにおいて群を抜いているといえよう。
1986年の『明治十手架』を最後に明治を舞台とした作品は終焉を告げる。現在では1997年筑摩文庫から発行された『山田風太郎明治小説全集』全14巻で、忍法帖に属する『開化の忍者』以外の明治ものは全て読む事が可能である。
[编辑] 室町と晩年
1989年、平成に入ってから八代将軍義政を主人公とした『室町少年倶楽部』を皮切りに、資料面の不足などから当時禁じ手とされていた室町時代を舞台にした室町ものと呼ばれる作品群を発表した。この中には、少年時代の日吉丸を中心に京に集った若き日の織田信長、武田信玄、上杉謙信の物語である『室町お伽草紙』や1991年発表の十兵衛三部作の完結編『柳生十兵衛死す』がある。これは「小説を書くとその分命を縮める」と考えていた山田風太郎が書いた最後の小説でもある。そのため彼は晩年には、アイデアはあるものの、それを小説にすることはなかったという。
90年代は随筆や対談、インタビュー集がいくつか出版されたが、その中でもパーキンソン病にかかった自分自身を見つめた『あと千回の晩飯』は出色の出来である。なお現在、それら小説以外の著作は大部分が各社の文庫におさまっている。室町ものは講談社文庫から『婆沙羅』、小学館文庫の『柳生十兵衛死す』以外は絶版状態だが、出版されたのが90年代中盤から2000年頃までと比較的最近のため、入手は比較的容易である。
[编辑] 歴史・死生観
上に挙げたような、カテゴリーに当てはめられる作品群以外にも山田風太郎は優れた著作を多数持っており、その中でも太閤記にはじまる英雄としての豊臣秀吉を疑問視し、徹底的なエゴイストとして描いた『妖説太閤記』と、江戸時代の作家、滝沢馬琴の著作、南総里見八犬伝をすっきりと再構成した上で、八犬伝の世界を虚、八犬伝を書く馬琴の生きる世界を実として交互に綴ってゆくという構成の『八犬傳』は圧巻である。余談だが、山田風太郎は、毎日の献立や出納などを全て日記に記録していた馬琴と似ていたという。
上記以外の著作としては、自身の昭和20年の日記である『戦中派不戦日記』、それ以外に太平洋戦争の開戦時、日米双方で起きた出来事を時系列順に並べた『同日同刻』や、歴史上や現代の様々な人物の死に際の出来事を死亡年齢順に並べていった『人間臨終図巻』等が知られている。『戦中派不戦日記』はシリーズ化され、作者の死去後は終戦以降の日記が出版され、現在は昭和17年から昭和27年まで読む事ができる。
[编辑] 作品リスト
[编辑] 長編作品
- 現代
- 悪霊の群(高木彬光との合作)
- 十三角関係
- 誰にもできる殺人(誰にも出来る殺人)
- 青春探偵団
- 棺の中の悦楽
- 夜よりほかに聴くものもなし
- 太陽黒点
- 神曲崩壊
- 時代小説
- 妖異金瓶梅
- いだてん百里(原題『山刃夜叉』→『韋駄天百里』→『いだ天百里』)
- 妖説忠臣蔵
- ありんす国伝奇(原題『女人国伝奇』)
- 白波五人帖(『白浪五人帖』)
- 秘抄金瓶梅(『妖異金瓶梅』に吸収合併)
- おんな牢秘抄
- 妖説太閤記
- 武蔵野水滸伝
- 修羅維新牢(原題『侍よさらば』)
- 叛旗兵
- 御用侠
- 魔郡の通過(副題- 天狗党叙事詩)
- 八犬傳(八犬伝)
- 旅人国定龍次
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- 明治
- 警視庁草紙
- 幻燈辻馬車
- 地の果ての獄
- 明治断頭台
- 明治波濤歌
- エドの舞踏会
- ラスプーチンが来た
- 明治十手架
- 明治バベルの塔
- 室町
- 婆沙羅
- 室町お伽草紙
- 柳生十兵衛死す
[编辑] その他の著作
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[编辑] 個人文学館
- 山田風太郎記念館
[编辑] 受賞歴
- 1949年 -『眼中の悪魔』および『虚像淫楽』により第2回探偵作家クラブ賞(日本推理作家協会賞の前身)短編賞を受賞。
- 1997年 - 激動の時代の生の証をとどめる著作と大衆文芸に新たな面白さをもたらした功績により第45回菊池寛賞を受賞。
- 2000年 - 第4回日本ミステリー文学大賞を受賞。
[编辑] 翻案・二次創作等
いくつかの作品は映画・テレビドラマ等になり、根強い人気を証明している。
- 『棺の中の悦楽』 - 1965年、大島渚監督により『悦楽』として映画化。
- 『警視庁草紙』 - 2001年に『からくり事件帖』としてTVドラマ化。
- 『魔界転生』 - 1981年映画化、2003年再映画化。
- 『甲賀忍法帖』 - 2005年に『忍-SHINOBI』として映画化。
- 『くノ一忍法帖』 - 1991年オリジナルビデオ化。1998年まで8作品が制作。
[编辑] マンガ
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動漫小作品 |
- 『魔界転生』(石川賢)
- 『魔界転生』(鳥羽笙子)
- 『柳生十兵衛死す』(石川賢)
- 『バジリスク ~甲賀忍法帖~』(原作:甲賀忍法帖/画:せがわまさき) - 2005年にTVアニメ化。
- 『Y十M ~柳生忍法帖~』(原作:柳生忍法帖/画:せがわまさき)
- 『甲賀忍法帖・改』(原作:甲賀忍法帖/画:浅田寅ヲ)「エース特濃→Comic新現実」
- 『花かんざし捕物帖』(作画:島崎譲)「講談社WebマガジンMichao」