いて座
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いて座 (Sagittarius) | |
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略符 | Sgr |
属格 | Sagittarii |
英語での意味 | the Archer |
赤経 | 19 h |
赤緯 | -25° |
観測可能地域 | 北緯 55° 〜 南緯90° |
21時正中 | 8月20日 |
広さ - 順位 | 867 平方度 - 15位 |
3等以上の星の数 / 6等以上の星 |
5 / 148 |
最も明るい恒星 , 視等級 |
カウス・アウストラリス (ε Oph) , 1.9 |
流星群 | 特になし |
隣接する星座 |
いて座(射手座、Sagittarius)は、黄道十二星座のひとつ。トレミーの48星座に含まれる。冬至点や銀河系の中心がこの方向にある。
目次 |
[編集] 主な恒星
星座は、ティーポットと呼ばれる星群によって容易に認識可能である。この星座の東側にあるζ,τ,σ,φ,λ,μの6つの星が、北斗七星に似たひしゃく状に並んでいることから、日本ではこの部分を南斗六星と呼んだ。この星座はα星ルクバト(射手のひざ,の意)が4.0等級の暗い星で、これより明るい星がいくつもある。
その他に固有名がついている星には、β星アルカブ(射手のかかと)、γ星アル・ナスル(矢の先端)、δ星カウス・メディア(弓の中央)、ε星カウス・アウストラリス(弓の南)、ζ星アスケラ(腋の下)、λ星カウス・ボレアリス(弓の北)、σ星ヌンキ(海のしるし)がある。
[編集] 主な天体
付近が銀河系の中心がある方向なので、天の川の密度はいて座付近が一番濃い。従って、いて座には多くの星団や星雲がある。そのうちの1つは、δ星の西7.5°の場所にある球状星団M55。
いて座λ星の近くの散光星雲 M8 (干潟星雲)は、望遠鏡で見ると美しい。 たて座境界付近のω星のそばには、オメガ星雲、白鳥星雲または馬蹄形星雲と呼ばれる M17 がある。この天体は、ケンタウルス座のオメガ星団と誤りやすいので注意する必要がある。
また、M8 の北には大きな散光星雲である三裂星雲 (M20) もある。ここには若くて温度の高 い星がいくつもある。
銀河系中心に関係のある電波源いて座Aもある。天文学者は、いて座Aが大質量のブラックホールを含むかもしれないと考えている。
[編集] 神話
いて座の設定は古く、シュメール文明に起源を持つとするのが定説である。バビロニアのネブカドネザル1世時代(紀元前1300年頃)のものとされる境界石標には射手と馬ならぬさそりが合体し、さらに羽根を生やしている蠍人間として描かれている。 アシュールバニパル時代にはパ・ビル・サグと呼ばれ、「ギルガメッシュの叙事詩」にも登場する[1]。
ギリシア神話では、いて座はさそり座に弓を向けるケンタウロス(ラテン語ではケンタウルス)として描かれる。勇者オリオンを刺し殺し、その功績で星座とされたさそりが、天上でも暴れたとき、すぐに射殺することができるよう、いて座の弓は常にひかれたままであると解釈されている。これは、しばしばいて座がケイロン(ラテン語ではキロン)と同定されていることと併せて出処不明の俗説で、根拠のない誤りとされる。
偽エラトステネスは、この星座をケンタウロスと見る人とそうでない人がいるといっている。ケンタウロスではないと主張する人たちの根拠として、ケンタウロス族は弓を使わないこと、星座の下半身が見えないことを挙げている。その場合は馬の足と獣の様な尾を持ったサテュロスと見られる。 偽エラトステネスは、アレキサンドリア派七星詩人(w:Alexandrian Pleiad)のひとりソシテオス(w:Sositheus)の伝える話として、このサテュロスを弓を発明したクロトス(Crotus)と同定している。クロトスはムーサイの乳母だったエウフェメー(Eupheme)の息子である。クロトスがサテュロスなのは、ヒュギヌスによれば、彼の父がパン(Pan)であるからだという。彼はしばしば、自分が発明した弓を持ち、馬に乗って狩りに出かけたという。クロトスは、ヘリコン山で共に暮らしたムーサたちの、彼の弓の技量を空で顕彰してほしいとの願いによって、ゼウスに頼んで星座にされたという[2]。
- ^ 野尻抱影 「古代の星座」『星座』 野尻抱影編、恒星社厚生閣〈新天文学講座1〉、1957年、53頁。
- ^ I. Ridpath, Star Tales - Sagittarius, Ian Ridpath Homepage
[編集] 関連項目
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