しんかい2000
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しんかい2000は、海洋科学技術センター(現: 海洋研究開発機構)が所有、運用していた有人潜水調査船。日本初の有人深海調査艇しんかいの後継機として製作された。
[編集] 概要
艇体前部に収納された球形の耐圧殻の中に乗員3名が乗り込み潜航する。耐圧殻には三個の窓があり、乗員はそこから海中を覗き見て操縦および観察調査を行う。また、前部にはマニピュレーターが装備されており、試料の採集を行うことができる。海中における移動は、主に艇尾にある主スクリューを用いて行う。また、艇の両舷に一個ずつ補助スクリューがあり、微細な姿勢制御はそれを用いて行う。
なお、長距離航行能力はもっておらず、母船(支援母船「なつしま」)に搭載されて潜航地点まで輸送され、そこで海上に吊り降ろされて潜航に入る。本艇で得られた運用実績を基に、後継艇の「しんかい6500」が建造された。2004年3月、運用を停止して退役。
一般には「しんかい6500」にバトンタッチしたと考えられているが、「しんかい6500」の運用スケジュールは大深度探査でほぼ埋め尽くされているため、「しんかい2000」の退役により事実上、日本は大陸棚など浅・中深度の有人海洋探査手段を失った。
映画「日本沈没」(2006年版)に登場する「わだつみ2000」は本船がモデルである。「しんかい2000」は運用停止されているが老朽化したわけでもないので、この映画の様に再整備で運用する事は可能とみられる。
[編集] 要目
- 乗員数: 3名(パイロット2名、研究者1名)
- 最大潜航深度: 2000メートル
- 最大速力: 3.0ノット
- 潜航時間: 6時間
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