その向こうの向こう側

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『その向こうの向こう側』（そのむこうのむこうがわ）は渡辺祥智原作の漫画作品。

[編集] 概要

マッグガーデン刊の「月刊コミックブレイド」2003年9月号にて表紙&巻頭カラーで連載開始。略称は「むこむこ」、もしくは「向こう側」「向こう」。単行本の1、2、3巻はいずれも初回限定版が同時に発売された。1巻はミニ画集、2巻はミニドラマCD、3巻にはファンブックが付録。また通常版と限定版では表紙も異なっている。※声優はドラマCDの物

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] あらすじ

小学6年生のフタバは、下校中に空から降ってきた少女・キアラに出会う。キアラはフタバのことをいきなり「マスター」と呼びだすが、フタバにはワケが分からなかった。その時、謎の怪物が二人を襲う。キアラはフタバと共に戦おうとするが、フタバはキアラの間違えでマスターではないことが判明。なんとか走って逃げ、ひょんなことから異世界へのゲートが開いてしまい、怪物から逃れようとそのゲートの中に二人は入っていってしまう－

[編集] オーリオール

二葉の居る世界とは別の世界。国の名前に色が入っている。翠の国(ヴィリジアン)、碧の国(アザー)、緋の国(ルージュ)、白の国(ジプサム)、黒の国(グラファイト)。魔導に関しての国はジプサムとグラファイトの二つ、ジプサムは神官と呼び、グラファイトは魔導士と呼ぶ。特にグラファイトは危険な国であり、大人から子供まで魔導に関している。

[編集] 九堂家

九堂二葉(くどうふたば) 声:川上とも子

オレンジ色の髪に紫色の眼をしている。服は重ね着。黒のTシャツの上に袖なしの白の服(服の前だけ下端っこの両方が長くなっている)と両手に黒のリストバンド、カーキ色の七分丈のズボンを穿いている。小学6年生。下校途中にキアラと出会い成り行きでオーリオールに行く。背が低い事を気にしている模様。ランドセルを背負っている。兄が二人おり、姉が一人居る。なので二葉は末っ子、末っ子という事もあるのか、溺愛され気味。幼い頃に女装されたり、兄や姉からキスされたり。ちなみにファーストキスは次男である太助。｢なんとかなる｣という言葉が口癖。後先考えずに行動し、無茶な事をする事もあるが、正しい方向を選んでいる。何より友達だろうと他人だろうと関係無く助ける。キアラをマスターの所まで連れて行くと決め、終わるまで帰らないと心に決め付けた。キアラを護る為、戦う事の出来ない自分が嫌い。

九堂卓巳(くどう　たくみ)

二葉のお兄さんであり、太助の兄でもある。九堂家の男の中では一番背が高く、年上。髪の色、眼の色は二葉同様。携帯で話しかけても返事が返ってこない時には必死に言う。大人びた性格なのだが心配性。

九堂太助(くどう　たすけ)

二葉のお兄さんであり、次男でもある。九堂家の男の中では二番目に背が高く、見た目は高校生くらい。髪の色、眼の色は二葉同様。料理上手な様で二葉の為に(本当は一緒に食べる為に)プリンを何個も作った程。朝食を作る時もあるらしい。性格は卓巳と違い、どこか軽いノリがあり飄々としている。やはり心配性で過保護。

九堂貴子(くどう　たかこ)

二葉のお姉さんであり、長女でもある。見た目は中学生か高校生くらい。髪の色、眼の色は二葉同様。料理の腕は上手ではないらしい。二葉の事を｢二葉君｣と呼ぶ。性格は明るく中途半端が嫌い。｢自分で決めた事なら最後までやり通す｣という言葉を言うシーンがあった。やはり心配性で過保護。

[編集] 花

精霊が住まう世界で咲くという召喚植物の一つ。魔導士や神官、もしくは魔導に関する知識を持っているモノではないと召喚する事が出来ない。召喚した人物は花の手をとり、強く想いを込めて呪文を唱え、花をそれを叶える為に｢力｣を使う。花の力には限りがあり、マスターの願いを叶えれば、その叶えた望みの大きさだけ花の命は削られる。花はマスターと幸せに、花が幸せになる事を望んではいけない。

キアラ声:柚木涼香

精霊が住まう世界で咲くという召喚植物の一つ・アマランザイン(常世の花)。意味は『枯れるこのない永遠の花』。白い髪にオレンジ色の眼をしている。服も全体的に白い。上の服は首元に大きなリボンがついており、袖無し。丈の短いワンピースで白の短パンを穿いている。マスターを探して二葉の居る世界にやって来たが、マスターと二葉の纏う気が似ているせいで間違えてやった来た。のほほーんとしていてのんびりとした性格。痛くても平気と言うからして、あまり感情が無い。二葉を護る為に、本来はマスターのモノなのだが、自分の身を挺したりした事も。だが花なので死ぬ事は無かった。この時服がぼろぼろになってしまい、次に行った町でマートルに新しい服を造ってもらった、現在はワンピースではなくへそ出しの服(元の服を上下に分けたような服で全体的なデザインは変わっていない)胸の少し下から腰まで大きく開いている。

キャナ

キアラ同様、精霊が住まう世界で咲くという召喚植物の一つ・グローカス。意味は『かすかな光』。≪アマランザイン≫よりは格下。見た目は二葉より子供、頭の横にはリボンのついた大きな毛玉をつけている。性格は明るく無邪気で純真。マスターであるデュウの事を｢おろかさん｣と言ったが、キャナ曰くそこが良いらしい。子供ということもあるのか、言ってはいけない事を言ってしまったりある。そのせいでキャナが≪アマランザイン≫じゃないと二葉達にバレる。人助けのせいで力をほとんど使い、デュウの願いである｢ずっと傍に居てほしい｣という願いを聞き、枯れていった。

キーヤ

上記同様、精霊が住まう世界で咲くという召喚植物の一つ・エルトゥリ。意味は『溺死』。見た目はキアラと同じ程。左目を前髪で隠し、後ろ髪を左側で結んでいる。首には黒のチョーカー、肩の出ている丈の長い服を着ており、右腕にも黒の腕輪、黒のズボンを穿いている。今登場している花の中で唯一の男。性格は無口であまり感情を表に出さない。｢すみません｣と謝るのが癖らしい。また、ベルベルを抱いたり頭を撫でたりする事から、可愛いモノは好きな様。普通の花は力を使い切ると花だけが枯れる、だが、エルトゥリの場合はマスターも枯れる(いわゆる死亡)事になっている。

[編集] ヴィリジアン

オーリオールに存在する国の一つ。漢字で書くと｢翠の国｣。この国では王家の双子は不吉の象徴を持っており、昔にヴィリジアンを治めていた双子の王が兄弟同士で戦争になり、国が2つに割れ、酷い有様になった。以後、混乱を避ける為、双子の王子が生まれても王になれるのは一人だけ。13歳になったらどちらかが死ぬまで戦って残った方を王にする。

ヴィリッド・ヴィセット・ヴィリジアン(弟) 声:神谷浩史

13歳。翠の国の双子の王子で弟。｢狂気の王子｣と呼ばれ、恐れられ、死ぬ事が決まっていた。紺色の髪に赤い眼、服装は首元に鎖のついた首輪に黒の袖無しに茶色のベルト、黒のズボン。後から服装が変わり、白のシャツに黒のズボン。そして両腕には包帯。武器は手の甲につけるクローの様な武器。殺す事しか知らず、その為、殺しを楽しんでいた。ヴィリッドの母親兼王女の命令により、キアラを探す事を命じられた。刺客が追ってきたら躊躇わず殺していた。兄であるヴィリッドを｢お優しい兄上様｣と呼ぶシーンもあった。二葉と出会い、腕に怪我(自分でした怪我)に包帯を巻いてくれた二葉に懐く。以後、一緒に旅をする事になり、性格も変わってきた。｢誰かを傷つける事や、殺す事をしたくはない｣という感情が芽生えてきた。だが二葉を傷つける奴等とは戦う、この時には体術を使う。二葉と一緒に居る事を望んでいる。兄であるヴィリッドとの王位継承の対決で勝った。そして王位継承権を放棄し、自由の身となった。だが刺客がヴィリッド(兄)を弟と間違え、殺そうとした時に身を挺して死亡。

ヴィリッド・ヴィセット・ヴィリジアン(兄)

13歳。翠の国の双子の王子で兄。髪の色、眼の色は同じ。服装も初めのヴィリッド同様、黒の服。首輪はつけられていない。幼い頃からヴィリッド(弟)とは違い、牢にも入れられず、暮らしていた。性格はヴィリッド(弟)とは違い、反応。二葉に｢目障り｣や｢チビ｣など酷い発言をするが、ヴィリッド(弟)には優しい。何より弟であるヴィリッドの事を想っており、ヴィリジアンに戻らないならば、翠の国の皆(母親含み)を殺せばいいと発言したりした。また、｢ずっとずーっと俺がお前を愛してやる｣なども発言も。ブラコン気味だったりする。武器は短剣。戦いとしての経験が無いせいか、戦いには負けが多い。最後には王位継承の対決で破れたが、二人共王位継承権を放棄し、自由の身をなった。だが刺客がヴィリッド(兄)を弟と間違え、殺そうとした時にヴィリッド(弟)が身を挺したおかげで生きた。弟の死後、必ず≪アマランザイン≫の元へ行くと約束し誓った。

[編集] 獣、半獣人

ベルベル声:加藤奈々絵

白の毛に覆われ、耳は翼となっている。翼にはリングの赤い玉のついた飾りをつけており、金色の細長い棒がついている。見た目は獣(うさぎの様な姿)だが、魔法の腕前はかなりのもの。その豊富な知識でメンバー達を引っ張っていく。各地に知り合いがたくさん居る模様。お金に眼がなく、お金に関して厳しい。過去に弟子がおり、弟子であったグリジオの師匠。グリジオの戦いで右側の飾りは壊れた、今は残った左側の飾りをグリジオの墓にかけて、グリジオの飾り（片側だけの物）を左側の翼に付けている。花の事をあまり好きではない。

グリジオ

ベルベルの弟子で獣。獣姿は猫の姿に似ている。師匠が魔法を使えるなら弟子も使える。ベルベル同様、頭の左横に同じ形をした飾り（こちらはリングではなく小さな部品で下から挟む形）をつけている。ベルベルの事を｢おししょーさま｣と呼んでいた。当時ではよく≪アマランザイン≫を間違えて｢あらまんざいん｣と呼んでいた。性格は無邪気だが、緋の国(ルージュ)の警備兵を倒しては頭を踏みにじるなど、残忍な一面もある。自信に満ち溢れた一面もあり、少々毒舌も混じっている。言葉の最後に｢☆｣がつく事がある。そして召喚した花は≪エルトゥリ≫、キーヤのマスター。魔法の腕前はそこそこある様だが、ほとんどキーヤの力を使って魔法を使っている。召喚した理由は｢願いを叶えるなら代価を払うのが普通｣という修行時代にベルベルの言っていた言葉を理由に、≪エルトゥリ≫を召喚した。最後には力を使い果たし、獣の姿に戻って、静かに死亡した。

人魚

ベルベルの知り合いの一人。碧の国(アザー)に居る。二葉から見れば人魚、ベルベルから見れば魚人。ベルベル曰く｢若くて美しい男に目がなくて魚臭いくせに態度デカくて｣との事。ましてや｢好色魚女｣や｢ロクな奴じゃない｣とまで言いまくっている。性格は高飛車でお嬢様に近い性格をしている。初対面である二葉とヴィリッドに飛び掛ってきた。≪アマランザイン≫は絶対美男子だと思っていたらしい、女だと分かった瞬間に態度が変わった。ベルベルの事を｢クソウサギちゃん｣と呼んでいたりする。キアラがマスターの事を｢若い男の人｣と言った瞬間にキリリと表情が変わった。『遠見の眼』を持っている、方角も分かり、いくつ反応があるのかも分かる。タダで働く事を嫌い、お代を請求する。二葉達に出した請求はキスだった。

マートル

ベルベルの知り合い。山奥にある鳥か鳥系の半獣だけが住む町に住んでいる、頭だけ鳥の半獣で料理や裁縫が得意、性格はとても優しい。服がぼろぼろになってしまったキアラに新しい服を造って上げた。

[編集] アザー

オーリオールに存在する国の一つ。漢字で書くと｢碧の国｣。

デュウ

魔導学校に通っていた学生。背が高く青年の風貌を持つ。魔導学校では苦学生で落ちこぼれだった。性格はどこか抜けており、自分の願いや思い・考えている事が一点にまとまらず、考え付かない。召喚した花は≪グローカス≫、キャナのマスター。召喚したきっかけは、たまたま書庫にあった≪アマランザイン≫の召喚法を記した本を見て試しにしたら≪グローカス≫であるキャナがデュウの元へと来た。初めは花の事を『道具』として思い、≪アマランザイン≫と名乗って騙しお金を稼いでいたが、二葉達と出会い花は『道具』ではないと思う様になった。初めの頃は色々と願いを考えていたが、何より『願い』より『自分の所へ来てくれた』事を喜んでいた。ただ人助け(本当はお金が欲しかったが｢お金が欲しい｣という願いが考えつかなかっただけ)をしすぎたせいで｢力｣がほとんど無くなっているキャナに気付くのにはかなり時間がかかった。そしてキャナに｢ずっと傍に居てほしい｣という願いを言ったのだが、目の前で枯れていった。

[編集] ジプサム

オーリオールに存在する国の一つ。漢字で書くと｢白の国｣。神官が数多く居る。

セレン

ジプサムに居る神官。今は暗い所に閉じ込められ、身動きが取れない。顔も良く頭も良く運動神経も良く、女にも男にもモテまくりなのだが、性格は二葉に似ている。｢大丈夫なんとかなる｣という言葉が口癖。友達だろうと他人だろうと関係無く動き、無茶もするが間違った事をせず、正しい方向を選んでいる。 ≪アマランザイン≫であるキアラのマスター。≪アマランザイン≫を召喚した事により閉じ込められている。

シェンナ

19歳。ジプサムに居る神官で有翼人。セレン同様閉じ込められていたが、抜け出している。セレンの友人。性格は口は悪かったりするが、兄貴分の様な感じを出しており、セレン曰く｢大人気ない｣性格。女好きらしい一面もある。｢オッサン｣呼ばわりすると怒る。有翼人なのだが飛ぶ事が苦手、何より『有翼人』という事を気にしている。短命であり飛ぶ奴程寿命が短い。マートルと同じ町の出身。